BIKE
親友だと思っていた。
彼奴は、彼奴だけは仲間だと思っていた。
しかしそんなことはなかった。
「お前なんか用済みなんだよ、屑」
そう言って殴られ、財布を盗られた。
まだ優しかった母は言った。
「人間は簡単に裏切る。腹の内で何を考えているかなんて
当の本人しかわからない。だからあんたは直ぐ人を信じちゃいけないよ」
「、なんで俺は母さんを殺したんだろうな」
ダメだ、考えちゃいけない。
俺は殺らなくちゃいけない。
いい子だから、此奴らを殺らなくちゃいけない。
ペンを、取ろうとして落とした。
インクがゴミだらけの床を支配する。
ゴミは黒に染まってゆく。
このほうが目立たないので寧ろインクをかけたほうがいいのかもしれない。
そう思い俺はインクをぶちまけた。
より汚くなったゴミと、全体的に見て綺麗になった部屋を見た俺は
執筆手段がないことに気づいた。
___
PCの電源をつける。
オンボロなPCは粗大ごみにあった物だ。
まだ使えるのに捨てるなんてな。
世界はSDGsだのなんだのと盛り上がってるけど
こんなの見てると無理なんだろうなと思う。
オンボロPCはまだ点かない。
俺はPCを叩き割り、血の付いた指を見て、
「純正のインクがある、か」と言い指で書き始めた。
「拝啓、永遠の親友のなり損ねの君へ。
元気にしているかい?
まぁまさか君が甚振った奴から手紙がくるなんて思わないよな。
さて、そんな屑な君にプレゼントだ!
バイクをあげよう。
勿論国内の物だけどね。
僕にお金を求めちゃあ生きていけないよ?ww
流石に君の家は知らないから君の家の前に置いておいたよ。
精々そのバイクを売るなり焼くなり食べるなりして生きてくれ。
では、もう少しで会おう」
BIKEには死なない程度の爆弾がある。
エンジンキーをまわした13秒後に爆発する。
無論、爆弾で死なないだけだが。
流石に血の付いた郵便物は運んでくれないだろうから俺は
BIKEと手紙を持って彼の家の前に行き、置いた。
家に着くと警察がおり、
「あなたの母と友人が亡くなりました。
家宅捜索させていただきます」
と言い俺の汚部屋に入っていった。
俺は焦らない。だって特に何もないから。
強いて言うなら
玄関で欠伸をして待つ俺を睨み、捜索する
20分ぐらいたっただろうか。
ようやく堪忍したのか
「お時間頂いてすみません。
あなたは特に関与していないようでしたので失礼します」と言い去っていった。
まぁ、関与しているわけなんだが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます