第47話 情けない話

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 米河氏はかの事件が起きたとき、大学の4回生。22歳になって間もない頃。

 その10年後に生まれた姪が、ついこの前、22歳になったばかりだという。


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 あの事件ですね。もちろん、論外です。

 今もってかの事件を紹介されるとき、「不登校」というキーワードが出されますけれど、まだ、「登校拒否」という言葉が完全に消え去っていない頃でしたね。

 非行系であるなしにかかわらず、不登校というのは一種の病気のようなものと言いますか、単なるサボりだという認識も強かった。

 姫路の少年の場合は非行に走りかけていたというのもありましたが、三原の少女のほうは学校のいじめが原因でそうなったように記憶しております。

 当時は、戸塚ヨットスクールもそうですが、この風の子学園にしましても、他にも何ですか、香川県の何とか道場とか、いろいろ、その手合いを「矯正」することを売りにした施設がゾロ出ていたようです。

 いずれも、今思えば、時代の狭間に咲いたあだ花のようなものでしょうな。


 私ね、もうすでにルポを書いて旅行記サイトにアップしておりますが、その旅行記のアクセスが、この度のコンテナ解体に際して急増しましてね。

 本来なら素直に喜びたいところですが、ことがことですからねぇ。

 手放しでは喜べませんけど、あれで当時の空気と言いますか、少しは皆さんにお判りいただければまあ、書いた甲斐もあったことかと。


 それにしましても、養護施設もそうですが、矯正なんかを標榜する施設にも共通しておりますけど、「自然」というものをやたらにありがたがる傾向が見受けられますね。よつ葉園の全面移転も、そのあたりの「良さ」というか、「良い面」ばかりを強調しすぎている気がしないではないです。

 私はどうも、そのあたりの風潮がすっかり気に入りませんね。

 このようなことを申しますと、それこそ大槻さんの「坊主にくけりゃ袈裟まで」を地で行くような感じもしますけど、私自身が田舎よりも都会を評価しているところは、そのあたりに理由があるように思えてなりません。


 それはともあれ、本件の坂井氏の手法というのは、結局のところ、何かに裏打ちされたものではなく、単なる素人未満の跳ね返ったようなものであったと総括せざるを得ないでしょうね。

 何より問題なのは、かの少年の姫路市の教育関係者です。

 坂井某が「退園阻止」のための罠として煙草を置いてみたりだの、その一方で姫路市の教育関係者にはビール券を渡したり炉端焼きやスナックで接待してみたり。姫路市内のほうか三原市内のほうかはわかりませんけど、どちらの地でやったにせよ、これはあまりな行為です。 

 判例上この程度の接待であれば社会通念に反するものというわけではなく、刑事罰を科せるレベルではないのかもしれませんが、のちに民事裁判を起こされて姫路市が敗訴する遠因には確かになったでしょう。情けない話ですな。


 風の子学園の事件もタイガイでしたが、その後のオーストラリア旅行で知合ったとかいう女子高生にわいせつ行為を働いて懲役2年の実刑判決を食らって、今度こそ収監されて服役したというのは、お笑いにもならんけどお笑いものかなと。


 言いたい放題申しましたが、森川さんの御意見を改めてお聞きしたく存じます。


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