第41話 社会性の極限値4・両刃の刃の効用

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 それでは、こちらも私見をさらに述べましょう。


 森川先生御指摘の「優性主義」と申しますか、それに関しての私の見解は以下の通りです。確かに私は、「簡単にはらんでおろす」云々の青年を、社会性に欠ける妻子持ちの男などよりある意味上出来の部類であるという趣旨の弁を述べています。

 しかしこれは、ある事象に対する私の価値判断の問題でありまして、これをもって安易な妊娠をした少女の中絶を推奨しているわけではありません。

 そこで彼女やその周囲が産むという選択肢を選んだとしても、それはそれです。

 そういえば、私が小学生の頃、森川さんが鬼籍に入られて間もない頃でしたが、かの有名な金八先生なる学園ドラマで、その題材が取上げられたことがありましたね。


~ ああ、存じておるよ。あれはセンセーショナルじゃったな。と、森川氏。


 ですよね。なんせ「15の母」ですからね。

 生物学的には出産できないわけではないでしょうが、それは社会的に良しとすべきか否かということになりますれば、確かに問題がありますよね。

 そのような形で生まれずして終る胎児を犠牲にして、ではそのにいちゃんネエチャンとやらがその後どうなるのかはともかくとしまして、社会的に不幸な子を出さなくて済んだという解釈ができる余地は、ないわけではない。

 こんなこと言うと、人権感覚疑われかねませんけどね(苦笑)。

 しかし反面、そうして生まれた子であれ、社会で育て上げていくことで、有為な人材になる可能性もないわけではない。そんな状況下で生まれた子はいずれ問題を起こしかねないのではないかなどというが、それは、両親がいるのが当たり前という、以前私が述べた厚生省の家族像の盲目的信者という点では、イワシの頭を信心する阿呆のゆえんですな。そのような家族が普通ですべての基準と思って、それ以外を理解もできない社会性低偏差値のちんけな雑魚の戯言に過ぎんのであります。

 

 いずれにせよ先の「簡単にはらんでおろす」の論は、ある事象と別の事象を比較対象の上、ある面からの価値判断を述べたものに過ぎず、これは決して私自身がそのような行為を推奨しているわけでも、逆にその「チンケな妻子持ち」とやらを抹殺せよと述べているわけでもありません。

 ですから、これをもって私が「優生学」の片棒かつぎであるわけもありませんよ。

 そうそう、左翼系の馬鹿ねえちゃんに私、高校時代に「ファッショ」と呼ばれたこともあったな、そういう一面からの決めつけをする低能の述べるが如きは、三流くずれのレッテル貼りである。かかる手合いは私の管轄ではない。

 あ、そういえば、その「チンケな妻子持ち」とやらを、裁判でボコボコにしてやったことならありましたっけ。そいつについた三百代言ともどもね(苦笑)。


 ともあれ、かの「簡単に云々」の弁は、社会性を全体的に高めるための方便というものでありまして、それは確かに両刃の刃の要素を孕(はら)んでおりますが、これこそまさに、「馬鹿とハサミは使いよう」の同工異曲なるものに過ぎません。

 このくらいの弁を立てて物事を分析し切ることは、社会性を高めるうえで避けて通れないとは言いませんが、ひとつの手法として大いに活用されるべきであると、私は書く思料した次第にございます。


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 周囲はかなり明るくなった模様。

 次回進行協議は、6月23日金曜日の未明。

 本討論は、その翌々日の25日日曜日の未明と決した。


 今生と来世の両紳士は、それぞれの居る場所へと戻った。

 今生の紳士、今日もプリキュア御意見番と称してテレビとパソコンに向かう。


 この日は、父の日。

 彼は今生では独身をとおしているが、プリキュアになぜか「娘」がいるという。

 その娘に顔向けできるだけの討論を、自分はできているだろうか。

 その日1日、彼は自宅でじっくりと思考を巡らせつつ執筆にいそしんでいた。


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https://kakuyomu.jp/works/16816927861110029880/episodes/16817330659063181959

↑ 第354話 抗弁の波紋

 こちらも併せてご覧ください。


 

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