第34話 休戦日 3
https://kakuyomu.jp/works/16816927861110029880/episodes/16817330658766168695
↑ 第351話 今生の休戦日 3
こちらも是非、後ほどご一読を。
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6月13日・火曜日。
米河氏は、かれこれ仕事をこなさねばならない日。
だが、かの対談で引っかかるところがある模様。
社会性の底上げ
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彼にしてもZ氏にしても、その言葉でくくられるなら、あくまでも自らの力をさらにつけていくことを考えて青年期を送ってきている。彼らがその後この社会で生き抜いていくことを考えるなら、それは至極当然のことであった。
人の事など構っているヒマなどないはずだ。
近代市民社会成立以降の少なくとも先進国と呼ばれる国でそれなりの立場で生きていく以上、その素養は欠くべからざるもの。
出身高校がいつまでも話題に上るようなコミュニティなどに用事はない。自ら立ち、自ら歩んでいく者に、そんなぬるま湯社会は無用である。
彼は、ネットで情報を検索している。
アノミー(無連帯)
デュルケームの提唱した言葉。それを小室直樹氏が広く著作で紹介されている。
彼は20代の頃、ある本を見つけたことがきっかけで小室氏の著作もいくらか読んでいる。そこで彼は、この言葉を知ったという。
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逆説的な表現になるが、アノミー状態下の孤独に耐えられるくらいでないと、この近代市民社会では生きていけないのではないか?
自分自身の状況にそれを当てはめてみるなら、まさに、出身高校がいつまでも話題に上るようなコミュニティ、地元コミュニティを脱してでも自らの立ち位置を確立しなければならない立場であったわけであるから、その青年期というのは、まさにそのアノミー状態であったと言えよう。
そのあたりから、論を組立ててみるのはどうだろう。
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ペットボトルの珈琲を飲みつつ、彼はパソコンの作業にいそしんでいる。
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