第21話 心配する事じゃなかった

「お母様、主アラン様と食事しても良いのですか?」

 さらっと聞き流してたけどカンミは、エンペラーバンパイアになったサテラとフラネの母親って事なんだ。

 人間の時の家族より、眷族化による親子の繋がりは、より強固な揺るぎないものになる。

 あれ?僕はカンミとビオラを眷族にしたよね?二人はアラン様って言うけど、お父様って言わない、何故?

 やっぱ吸血行為無しの眷族化は不完全なのか。


 皆悩んで大きくなった、ここはアラン君にも悩んでもらう。

 偉大な真のエンペラーバンパイアになるために。


「アラン様が望まれた様になさい!」

「「はい、お母様」」

 躊躇ちゅうちょは主と同席して食事しても良いものか判断出来なかったって事か、安心した嫌われた訳じゃ無かったよ。


 食事が終った。

 様子見してたサテラとフラネは普通に食事してた。

 ビオラと同じ人間だった時のまま、食べる事に違和感感じないようだ、ただ若い女性とは思えない量を食べてた、強靭な身体が欲するためだろう。

 吸血行為無しで食事で命を維持する僕らも普通より大食いしてるが、それにしても食事量が多かったように思う。


「皆、明日の予定だがコムラ達には、この地の統治者がミスダからアランに変わった事を住民に徹底させて欲しい。

 カンミにビオラ、サテラとフラネは僕と一緒にミラノ辺境伯の偵察に行く」

「アラン様?儂らは?」

「モンジイ達もコラムに協力して統治者の変更を徹底させて!」

「詰まらん」

「ミスダの協力者は多いと思う、各自の判断で危険分子の排除は徹底的にやって欲しい」

「そう言う仕事なら頑張るぞい」


 バンパイア化でなく超人化でも破壊衝動起こるの?

 そう言えばサテラとフラネ急激なバンパイア化で破壊衝動起こってるはず、このまま夜通し走ってミラノ辺境伯爵とやらの領地に行く方が良いかも。


「カンミにビオラ、サテラとフラネ以外は解散!ユックリ休んで」

「「「「「はい、アラン様!お休みなさい」」」」」


 超人達と使用人達は寝室に引き上げて行って、僕達だけが食堂に残ってる。


「サテラとフラネ、急激なバンパイア化それもエンペラーバンパイア化だ、物凄い破壊衝動に襲われて居ないか?」

「アラン様!何でも誰でも引き裂き叩き潰したいです」

「だろうね、ビオラでさえ破壊衝動で暴れたくらい、そこでこれからミラノ辺境伯爵を叩き潰しに出掛ける!カンミにビオラ着いて来て!」

「「アラン様!勿論お供します!!」」


 と言う事で、でこぼこ砂利道を僕らは疾走してます。

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