第20話 カンミの眷族【2】

「カンミ安定した?」

 寝室から出てきたカンミは、妖艶で見詰められるとグラッと吸い寄せられそうなあやしさが漂ってます。

 真の眷族を産み出すと本人も少し変化すると言われています。

 カンミが変な変化してませんように……。


「アラン様、一人しか作れないはずの、私と同等の能力を引き継いだ眷族が二人産まれてしまいました。今は寝ていますが姉サテラ15歳妹フラネ13歳…ご覧になります?」

「いや、起きてからにする」

「カンミさんと同等の能力って…ちょっと恐いかな」

「教育がすむまで人間には恐い存在でしょう、でも私の眷族はアラン様の配下でビオラの友達ですよ」

(ちょっと会うの恐いかな?どんなバンパイアになったのか、ビオラみたいに人の感情記憶を残したバンパイアなら僕らは、彼女達家族のかたき敵対しないだろうな?心配になるぞ)


 厨房の5人は普通人のまま、超人メイドの下に付ける事にしました。

 良い人達と言うか調理以外興味が無い人達だったので、吸血鬼ハンター化はあえて控えました。

 超人化によって味覚の変化が多少なりと有るみたいで、変な料理にならないようにと思った処置でした。


 元々よい腕をした調理人達で、美味しい料理を食べています。

 8人の執事は普通にしてますが、20人のメイドに5人の料理人それに僕達14人が大食堂で一斉に食事中です。

 主と使用人が一緒に食事するって常識外の事らしいが、僕がそうしたいからしてます。

 食べにくそうですが、その内馴れるでしょう。


 食事も終るころ、サテラとフラネが目を覚ましたようで厨房にやって来ました。

 カンミと繋がりが出来て、カンミの所にやって来たって事らしい。

「「お母様、眷族にして頂き有り難う御座います」」

 二人は元々見目の良い娘だったがカンミの眷族になって美しさに凄みが増してる。

 人間は勿論バンパイアでも中級程度だと、近寄るのを躊躇する凄味のある美女に変貌して…僕も近寄りがたく気後れしてます。


 カンミみたいな綺麗なお姉さん大好きだけど、姉達のせいか年上女性に無茶弱い情けない僕です。

「アラン様!エンペラー化の許可有り難う御座います!配下として誠心誠意お仕え致します」

 サテラは15歳しっかりしてる。

「わ、私も誠心誠意お仕え致しましゅ」

 噛んだ?妹フラネはちょっとほっこり、安心できたよ。

「気楽にね!普通に僕達は仲間!仲良く協力して行こうね。

 食事二人のも用意出来てる、一緒に食べよう」

「「はい…」」

(ん?少し躊躇ちゅうちょしたのは何?)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る