第17話 ミスダ騎士爵町

 70人の死骸は海に投げ入れ水葬にしました。

 波に打ち寄せられ海岸に戻って来るかと見ていたが、全て沖に流れて行き葬儀に証拠隠滅合わせて完了です。


 所々に入江がある海岸線はゆるく曲がり、漁村が3村続いて見えます。

 海岸線を眺めて居ると、ビオラの明るい声がして来ました。

「アラン様見て見て!ソドム結構金貯めてたよ」

 ビオラが嬉しそうに金貨が詰まった革袋を見せてくれます。

「アラン様、麦に芋それに小麦粉を回収しました」

 滅んだ村の金品を無駄にしない為、皆が回収してくれてる。

「そんな大量の食料ゴーレム車に積めないよ」

「アラン様大丈夫!この程度担いで行けます」


 コムラ達やモンジイ、タキまで穀物入り大袋軽々担いで居ます。

 短いボンネットに、ルコとトネ商人夫妻を腰掛けさせ、残りの葉野菜に根野菜を、ゴーレム車に全て積み込み出発します。

「モンジイやフデバア達無理をしないで!疲れたら休憩するから、遠慮せず言って」

「アラン様、儂らを吸血鬼ハンターの仲間にして下さって、力が溢れて来ますんじゃ!!」

 とは言え3人は70歳近い高齢者、様子を気にしながらミスダ騎士爵町目指し進みます。


 ミスダ騎士爵町は、ソド村から海岸沿いに歩いて1日約40㎞の距離と聞いて居たが、入江をぐるり回って3村を通過3時間足らずでミスダ騎士爵町に到着していました。


「ゴーレム車を所有する裕福そうな旅人、従者が担いでる穀物は通行税として納めよ!!」

 コムラが不機嫌そうに門番を睨んでる。

 少しひるんだ門番が「全てとは言わん、半分置いて行け」と言い直しました。


「ここはミスダ騎士爵町で間違い無いか!」

 一行で一番威厳があるコムラが門番に問い掛けてる。

「そうだ!ミスダ騎士爵様の所在町である!!」

「ミスダに用があるので、通して貰う」

「ま、待て!入町税を納めて貰う!金貨1枚にまけてやる」


「町に入るだけで100万ゼニーと法外に金を取るか!門番貴様の所属階級を言え」

「きさま偉そうに!儂は警護隊隊長である!!」

「我ら全員超人吸血鬼ハンター!!こちらのお方は、吸血鬼ハンターの党首アラン様である!!ミスダへの用向きは邪魔者領主を討伐し、アラン様の領地に加える為である!!警護隊長邪魔立てするなら成敗して進む」


「無法者だ!であえ!!」

 警護隊50人程が行く手を塞ぎます。

 コムラ達全員担いだ穀物袋をゴーレム車の近くに置いてる。

「そうやって、大人しく穀物を納税すれば通してやる」

「勘違いするな!袋に血が掛からんように置いただけだ、お前達邪魔者は全員成敗して通る!」


 コムラ達は警護隊に襲い掛かり、相手の腰の剣を奪い斬り捨て、警護隊は剣を抜く間も無く全滅してました。

 全員袋を担いで町に入って行きます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る