第16話 ソド村とゴ村【3】

 僕達エンペラーバンパイアの強力な呪縛操りからは抜け出せない。

「こいつら放置しても無自覚に今までの暮らしを続ける、ビオラの故郷ソド村に行くよ!」

「アラン様、ソド村ではもっと不愉快な思いをされますよ」

「ソド村にパンジやハンスみたいに救いたい者は居ない?」

「居ません!皆殺しにします!」

 ビオラは不完全な僕の眷族化で随分性格が変わった?今度カンミに相談してみよう。

「アラン様、ソド村の村長ソドムはミスダ騎士爵の三男で無能な暴君、村人も殆どミスダ騎士爵の取り巻きが開拓協力に着いて来た者達」


 成る程、聞いただけで村の様子が伺える。

「カンミ、ソド村にかかわったらろくな事無さそう、素通りするぞ」

「アラン様素通りは無理でしょう、ゴーレム車が通れる道はソド村に通じています」

「素通りするって事はソド村に滞在せずに、そのまま先に行くって意味なんだけど」

「アラン様!カンミさんと話をしてました、ソドムは私達を見逃しませんよ、きっと武力で捉えようとします」

 ビオラはカンミ様呼びを止めて随分仲良くなったみたい。


 コム村の9人とパンジ姉弟で11人仲間が増えた、ビオラが処置した超人達は中級貴族の吸血鬼程度軽く討伐出来る実力がある……「ビオラ、ソド村の住民何人居る?」

「ソドム達男が30人程、女が同じ位の30人程、子供は10人程のはずです」

「70人か、多いな」

「アラン様、70人程度皆殺しは簡単!邪魔者は殺処分さっしょぶんするべき!」

 ビオラはソド村住民に余程恨みがあるようだ、意見が過激になってる。


 煮え切らない態度の僕にカンミは心配そうに話て来ます。

「アラン様?何か問題あります?」

「戦い蹴散らすのは簡単、フデバアにスエバアの二人でソド村を全滅できるだろう」

「私一人でソド村全滅させます」

「僕は血を見ると卒倒する、出来れば流血騒動おこしたく無い、ゴ村みたいに奴隷化ですましたい」

「アラン様!奴隷の使いみちあります?」

 そうなんだよね、吸血鬼ハンター仲間が増えるのは有り難いが、ひ弱な人間奴隷なんて邪魔になるだけ、ゴ村の奴隷達もどうするか全く利用価値が無い。


 話ながらゆっくり歩んでいたはずが、エンペラーバンパイアの僕達に超人達です、既にソド村に入って居ました。

「このまま止まらず行くぞ!」


「ゴーレム車を所有する裕福そうな旅人!通行税を支払って貰う!女性を置いて行っても良いぞ!!」

「やはりすんなり通してくれないか」

十代後半に見える小太りの男が、10人程の手勢を従え僕達の行く手を塞ぎ偉そうに言ってる。


ビオラとパンジが待ってましたって感じで先頭に躍り出て返答します。

「ソドム、寝言は寝て言え!」

「ん?ビオラ?なぜ帰って来れた?それにゴ村のパンジ?何をしておる?」

 ビオラは無言でソドムを張り倒し、頭を両手で掴みねじ回しソドムを捻り殺して居ました。

 パンジも見習ってソドムの取り巻きを張り倒し、首を捻って殺戮してます。

「アラン様、こうすれば流血させず殺せます!皆血を流さず殺して!!」

「「「「「はい、ビオラ様!」」」」」

 フデバアにタキまで皆ソド村に飛び込んで行きました。

「あ、あのぅ…」


 僕が止める間も無く殲滅が終わったようです。

「アラン様、村の囚われ人が二人居りました」


「吸血鬼ハンターの首領アラン様!救出して下さって有り難う御座います!妻と私はバンパイアへの貢ぎ物にされる所でした」


 夫婦は商人で、ミスダ騎士爵の勧めでソド村を訪問して拘束されたそう。

「「ミスダも潰す!」」

 カンミとビオラの鼻息が荒い。

「ミスダ騎士爵領を占領して我々の領地にしましょう!」

 コムラの提案は……案外良いかも、方針は決まりました。

「ミスダ騎士爵の領地を占領し、ミラノ辺境伯領地も奪う」

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