第12話 吸血鬼狩りの後

 カンミとビオラはゾンビ級バンパイアの首をサクサク斬り落として行きます。

 僕も抜剣、二人を見習い首を狙います。

 剣の切れ味に僕の力が加わり、斬った瞬間塵になって消えて行くゾンビ級バンパイア。


 斬るのはカンミとビオラの方が上手、僕は斬りながらズルして辺りにエナジードレインを掛けながら進みます。

「我こそは、コズラ侯爵が配下ズレ騎士爵である!!」


「はい、ご苦労様雑魚騎士級」僕は空かさずエナジードレインを発動雑魚騎士級を塵に変えました。

 塵になりながら、ズレ騎士級は憤怒の形相でした。


 僕もカンミも、バンパイア仲間と意識していない最下級バンパイアの騎士級やゾンビ級を狩って行くの、全く罪の意識は有りません低級でおぞましい、同族と全く思っていない相手だったからです。

 バンパイアを恐れ恨んでいたビオラは、殺戮さつりく行為凄く楽しそうですらありました。


「吸血鬼ハンターの皆さん!素晴らしい腕前!!自分達にもご指導願います強くなりたいです!!」

「血を見て卒倒した繊細なアラン様が、吸血鬼ハンター最強の方とは!是非ご指南願います!!」

 血を見て卒倒する少年は強そうに見えないね、僕本人もそう思うよ、ズルしないと実際強く無いし。


「私も強くなりたいです!ビオラ様ご指南お願いします!!皆様を見ていて虐げられるだけの存在は嫌になりました!!」

 タキさんは一緒に料理した可愛いビオラが驚異的な強者だった事にあこがれを抱いたようです。


「「「儂らも足手纏あしでまといに成らん方法が有れば教えて欲しい」」」

 お爺さんとお婆さん二人に、すがり着かれました。


「村人の皆さん、方法は有りますが…僕達みたいに吸血鬼ハンターになれば普通の人間では無くなります、変化したら二度と元に戻れません、覚悟が有れば処置します」

「アラン様!駄目です!!強過ぎるアラン様がやれば皆さん弾けて仕舞います!!処置させるならビオラでしょう、私でも無事に処置出来るのはコムラさん達5人…いや3人のみです」


「ええっ?私がやるの?」

「ビオラ!アラン様にしてもらった事思い出して、タキさんにやって見て!」

 ビオラとタキさんの信頼関係、失敗は起こらないとカンミは判断したようです。

 ビオラは一生懸命思い出して居ます、決心が着いたようで顔付きが変わりました。


「タキさんそこに座って、楽な姿勢で力を抜いて…これからアラン様に教わった秘術を行います!全て私に任せていてくれたら吸血鬼ハンターになれます」

 ビオラはタキさんのエナジーを少し吸収して体内に取り込みました。

 吸収するのが難しく、元々タキさんのエナジーです元に戻すのは、ビオラが手離すとタキさんに自然に戻って行きました。

 村人には見えて居ませんが、私とアラン様には全て見えて居ます。

 取り出し吸収したエナジーが少し不足していたのも見えて居ました。

(力は強く不死身性も着いたけど、あれではアラン様独特のバンパイアの能力は発動しない、ある意味最高の処理が出来てる)

「あぁ!身体が熱い!!」

「タキさん終わりました、暫く安静にして下さい、出来れば眠って起きたら超強力な身体になっています」


「お嬢さん、ビオラさん、疲れて居なければ儂らにも力を授けて貰えんじゃろか」

 タキさんを見て、危険は無く直ぐに処置が済む事を知ったお爺さんが言って来ました。

「アラン様…」

 アラン様がうなずいています。


 お爺さんにお婆さん二人同じ様に、エナジーを抜き入れしました。

 感覚が鈍くなってるお年寄りです、体内の変化に殆ど気付かず強化が終ったようです。

「おっおお?力が溢れて来よる!」「私も!!」「ウチも力が溢れて来たわ」

 お爺さんとお婆さん達、ヨボヨボした感じが無くなり、はしゃいで走り回ってる。

「俺もやってくれ」

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