第10話 警戒する村人達
「旅の途中に寄りました、少しの間旅の疲れ休みに村で休ませて下さい」
「来た道はバンパイアの街道だ!」
「昼間しか動かんゴーレム車に乗ってる、バンパイアでは無さそうだが、女子供だけの旅人怪しい!」
木組みの頑丈な防護壁、門番では無さそうだが5人の村人に僕達は詰問されて居ます。
村人の一人が突然腕を出しました。
見ると腕を軽く切って居て、血が滴ってる!!
瞬時に卒倒、僕はぶっ倒れました。
「突然何をするのですか!!アラン様は繊細なお方、野蛮な行為は許しません!!」
「お嬢さん悪かった、血を見て卒倒するバンパイアは居ない、疑って済まなかった何も無い村だがゆっくり休んでくれ」
(血を見て卒倒するバンパイアは居るのよ!アラン様のお陰で信用された、人間は知らないだろう、日中しか動かないゴーレム車を上級バンパイアは使用するのよ)
門を開いてくれて、ゴーレム車を通してくれました。
当然僕は昏倒したままですが。
「ここ、村…で良いの?」
10建程のあばら家が、
「私が住んでた村と同じ位ですよ!この辺りは地方領主の徴税とバンパイアからも人を徴収され、廃村寸前の村が殆どです」
「バンパイアに人を徴収されて村の人口が減ってるってこと?」
「ゾンビ級にするため男を操って連れて行く事があるけど、殆ど女子供を連れて行くの」
「ビオラは税の代わりにされたって聞いたけど、ここの地方領主に?それが何故皇帝の所へ?」
「この海岸一帯は、ミラノ辺境伯の管轄で最果てのミスダ騎士爵の領地、私は税の代わりにミスダ騎士爵に献上され、ミスダはバンパイアに取り入る為コズラ侯爵に献上され、コズラが皇帝に献上したって事、お陰でアラン様にお合い出来て幸運でした」
「よく無事にアラン様の所へ来れたわね」
「人の間では、バンパイアは処女の血を好むって言われてて、献上品に傷を付けないよう気を使われたって事ね」
「皇帝がアラン様の誕生祝いを物色中って、全てのバンパイアが知ってた、時期的にビオラは幸運だったよ、今の時期だったら悲惨な事になってたでしょう」
「あれ?ここは?」
「アラン様!気が付かれましたか、ここは先程の漁村です」
「そうか、僕はまた血を見て気絶したんだな」
「アラン様のお陰で受け入れてもらえました」
「バンパイアが来たぞーーーっ皆武器を取れ!!」
「騒がしいね、何事?」
「さて?行って見ます」
「そうだね、バンパイアがどうのって言ってる、確認に行こう」
「アラン様、位置的にコズラ侯爵の関係者と思われます」
「コズラ侯爵?録でも無い奴だったな」
「アラン様、私を皇帝に献上したのがコズラ侯爵です」
「その意味では感謝しないと、でも打算まみれの行為だから、感謝は帳消し」
門に着いた時には、バンパイアらしき人物が村の男3人を操ってる所でした。
「「お前達正気になれ!!」」
この村では戦える男は5人だけのよう、その内の3人操られて2人に斬り付けて居ます。
「そこのバンパイア、所属は何処だ!」
「何だ小僧!儂はコズラ侯爵様の騎士ズレ様の配下だ」
「何だ騎士級どころかゾンビ級か、カンミ、ビオラ、
「「はい、アラン様!」」
二人は剣を抜き、カンミは首を斬り落としビオラは心臓に突き刺して居ます。
一瞬でゾンビ級バンパイアは塵になって消えました。
操っていたバンパイアが消え、3人は正気に戻り剣を落とし、一部始終を見ていた2人に凄く感謝されました。
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