第十六話、襲撃にゃ
朝日が
だけど、朝日を浴びるカルロの表情はとても
「カルロ、何か覚悟を決めたような
「ああ……ダム、俺は
そう告げたカルロの瞳には、一種の力強さが
やはり、
「カルロが本気なら、僕も覚悟を決めるにゃ。僕は、カルロを
「……
「うにゃ、
「…………そう、か」
ありがとう―――
そう言って、カルロは少しだけ
僕は、少しだけ
「……カルロ、少しだけお
「何だ?」
「……
「え?」
瞬間、僕は足元に落ちていた手ごろなサイズの石を拾い
恐らく、この前の盗賊だろう。茂みからわらわらと
「さあ、王女様とミーナを
「し、しかしダム!お前は⁉」
「大丈夫にゃ、僕だって死ぬつもりはないにゃ!後で
「……………………っ、ごめん!」
顔にこれでもかとばかりに
目の前には、以前取り逃がした盗賊の頭が。殺意を滲ませた笑みを浮かべて僕を睨んでいた。
「へぇ?
「させないにゃ。僕が全力を以ってして逃がすにゃ」
「
盗賊の頭は大上段に力を
相手が持っているのは金属製の剣で、僕が持っているのはあくまでも木製の棍棒だから有利不利どころの話ではない。だが、それでも僕は不敵な笑みを
あくまでもカルロ達を生かして逃がす。
忠誠心ではない。命知らずでもない。これは
僕は、ただ友達を助ける為に命を
———ああ、そうか。
僕は、心の中で
カルロとミーナと
このまま、ずっと
この居場所を守りたいと思う程度には。
僕は、カルロ達に友情を感じていたのだから……
「にゃ、お前達なんぞに僕の居場所は
ふしゃーっと、全力で
……其処からは獅子奮迅の
だけど、その奮闘がようやく実ったのか盗賊の数は徐々に
「……にゃ、後はお前一人だけにゃ」
「全く、本当に勇敢な猫だ。だが、その勇敢さも
「……にゃ?っ⁉」
ひげにびりりと電気が走るような嫌な予感を覚え、僕は咄嗟に横へ
危なかった。一瞬でも
いや、それだけでは説明が付かない。明らかにこれは
「にゃ、どうしてお前だけ匂いや音を感じないにゃ?」
「へっ、お前が
そう言って、盗賊は僕に襲い掛かる。これは、マズイ。獣人特有の
元々、僕は身体能力的に其処まで強くは無い。獣人とはいっても、僕はあくまで猫なのだから。正直、獣の中でも
何とか、猫獣人としての俊敏性を
一瞬の
「にゃ、しまった!」
「死ね!」
一瞬、死を覚悟した僕だった。目をぎゅっと
その目に
「にゃ?カルロ?」
「よく、よく頑張ってくれた。後は
そう言って、カルロは
その後ろ姿に、不覚にも僕は
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