第三話
ランドセルを
「
そう、この男は小学生の僕に向かってわざわざ「さん」を付けて来る。
「あ、
(佐川康夫だ。またか)
「君の家から
よく
そう、自分の親……
(ん?
◆
家に帰るといつも通り……
「おかえり」
「ただいま」
「そうそう。朝の
(すごい!)
「どうせ……
「ありがとう……」
「まだまだだよ。ところでランドセルの中身見せて?」
「えっ? それは……」
「一応、俺は君の
ランドセルから出てきたのは
「このままだと、君は中学時代に落ちこぼれるよ……。君、人生の
「……」
「家事で忙しくて勉強に出来なかったんだろ?」
「そう……」
「そういう奴が点数を上げるのにはどうすればいいと思う?」
「分からないよ」
「
「え?」
(みんな算数と国語が大事と言ってるからびっくりだ!)
「まず地理分野を勉強してみな? 例えば「
(すごい。先生よりも的確な指示を出すじゃないか、この天邪鬼は!)
「人と真逆の事を教えるのが天邪鬼の
(そうだ!
「算数は?」
「この教科ばかりは
まだ小学四年が習う英語は"Do you like sushi?"レベルだったのでどうにかなりそうだ。
が……。
「僕……計算は……その……全部……
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