第42話:Untitled-Case(中);ひとまず、素組み完成。後程手直しします。

「とりあえず、話を整理しよう。……君は、アメリカ合衆国やソビエト連邦? とかによって大日本帝国が破滅した未来から来たんだね?」

「はい」

「……陛下はどうなった、やはり身罷ったのか」

「いえ、詳しく説明しても宜しければ、致しますが、昭和帝は無事でございます」

「……昭和帝?」

「はい、明治帝の孫の代の天皇陛下です。そして、私が生きていた時代には、昭和帝の曾孫である嫡男までが確定しております」

「……ちょっと待て、大日本帝国は破滅したと言ったね?」

「はい」

「……じゃあなぜ、天皇家が生きている?」

「……ああ、語弊がありましたか。天皇家をはじめ、国土の過半は一応維持したまま、国家の体は保っております。……アメリカ合衆国の傀儡政権である、という前提を考えなければ、ですが」

「…………」

、と思って貰っても構いませんよ」

「……詳しいことは、後程聞こうか。ひとまず、「三の矢」とやらを教えて欲しい」

「ええ、そう仰ると思っておりました」

 そして、高橋是清は衝撃の発言を聞くことになる。



「……それが、三の矢の内容かね」

「はい。うまくいくかどうかは、正直なところ謎な部分もあるので、三の矢とさせて頂きました」

「…………」

  俺が話した内容、つまりは「三の矢」とはなんのてらいも無く言ってしまえば、国際的インサイダー取引である。つまりは、今のうちに将来有望な組織や人材を大日本帝国が買い取ってしまい、それが高値になった頃に売りさばく、という古典的な手口であり、特に目新しいものではない。逆浦転生者にとってはもはや使い古された手口と言っても良いだろう。……問題は、その内容だ。と、いってもそれも目新しい内容ではない。問題はその使い方と売りさばく方法である。

「……本気、なんだね?」

「私はいつでも本気で動いておりますが」

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