第14話 「傷という名の曲が出来上がるまで」

とあるオーディションがきっかけだった。

自分の歌を自分の好きなプロデューサーが審査してくれる。たったそれだけで良かった。

もし良かったらお金は掛かりますが曲作りませんか?そうオファーがあった。

もちろん芸能関係もビジネスだ。

お金は掛かる。けれど作りたい。その一心しか無かった私は

「是非お願い致します!」

と、そう返していた。

それからどのプロデューサーがいいか、どんな歌詞がいいかとか決めて、ボイトレを繰り返して本レコして。

そんなこんなで傷が出来てきた。

完成が見えた頃に私は鬱が酷くなり何も出来なくなった。

だけど何とか持ち直してやっと世に出せる事になった。

それが全てだ。

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