第5話『九尾の狐』
高校最後の年私は生徒会へ入った。
私の通っていた通信制高校では必ず行われる『校内生徒生活体験発表大会』
その準備の為に生徒会は早く借りている会場に行く事になっていたが、私は昔から待ち合わせ時間の1時間以上前に行く事が常だった。
その日は3時間も早く行ってた為ものすごく暇だった。
ふとその時に、そうだ、この近くに神宮あるから、散歩がてらそこに行こう。と思い立ち、歩き出した。
会場からすぐ近くの某神宮。神武天皇が祀られていることで有名な神宮。
その参道を私はつらつらと歩く。
途中で案内板があり、そこに私は気を引かれる。
何となく近寄り目を走らせると、護国神社という物に目が行き、その後すぐ遺品館という物に目が止まった。
ここに行ってみよう。何故か、そう思った。
案内板で道を確認し、その通りに歩いていくと、途中に神式結婚式が行える場所があり、その向こう側に目的の場所がある様だ。
神宮の参道から5分程歩いた所にあった遺品館へ早速足を踏み入れてみた。
入口からすぐの土間には硝子越しに水筒等が置いてあった。
けど何故かそこじゃないという感覚がして、私は靴を脱ぎ、中に上がった。
途端この世のモノではない重圧と重力を感じ、嗚咽を感じた。
すぐ様私は遺品館を出て横で蹲る。
10分もしただろうか、未だに収まらないので私はここに居てはいけないのではないか。そう考えすぐ様神宮自体から出る。
神宮から出て、近くで休んでいると、二か三体程の所謂『幽霊』というモノが憑いている事が感じられた。
私はどうしようかと一瞬考えたが、お狐様を頼ろう。確かここには五所稲荷神社もあったはずだと天啓に近いものを得た。
そこからすぐに私は五所稲荷に向かい、そこでお祓いを行う。
その時に3匹の神使が私に与えられた。
それが『つばき、しき、しろ』と私が呼んでいる子達だ。
この子達が今の私を護ってくれる大事な存在になったのはその時からだ。
そのお陰で、私は今生きていて、何があっても大事に至らないと思う。
これからも仲良くしていきたいと思っている。
この子達が居るからこそ出逢える人達もいて、出来事があって、もしかしたらあの時の私は呼ばれていたのかもしれない。
そういえば前にこれは夢では無いと確信が持てるが、所謂神の世界に行き、そこで「お前は神の系譜にいる」って言われたなぁ。
今も忘れてはいない。
その日から私のこの力は強まった気がする。
いや強まったと言うより力の使い方を思い出したと言うべきか。
本当なら神主を目指す所だろうが、私にそれは似合わない。あくまで神職でありながら一般人であろうと思う。
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