第3話『瞬間』
桜が舞う季節になった。もう4月になる。
年度の変わる3月31日、来年度は何をやれるだろうか。
齢24の最後の春。二十代も半ばを過ぎる頃、何も出来ていない自分が不甲斐なく思うことがある。
それと同時に他の人より濃い人生を送ってきた気がする。
色々な人と出逢い、色んな人との別れがあった。
「こんな歳にしてバツイチだなんて、笑えるよね」
自分の中の誰かが言う。
「そんな事ないよ、バツイチとは言ってもまた新しい人生を歩めているんだからさ」
そう返しながら僕は、現実で横にいる誰かの手を握る。
「あんな出会い方で面白い告白のされ方?やり方?したけど新しい人と巡り会えたんだから幸せになっていかなきゃ」
そう結んだ言葉を自分の中の誰かに返す。
「そうだね、そうなって行ければいいよね」
そうやって返して、あとは無言だった。
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