第2話『独白』
僕は死ぬのが怖いと思っていた、自分らしく死ぬことが怖かった。
誰かの目の前で息をすることが怖くなっている。
僕は何をすべき人間なんだろうか、もういっそこのまま僕という存在は消えてくれないだろうか。
神よもういっそこのまま僕を消してはくれないか。
そう思いながら、僕は今日もベッドへ横になる。
赤い雫が滴り落ちてく所までは見えた。自分で肌に滑らせた金色のカミソリそして赤い雫が、血という涙が毀れた跡を見る。
そしてそのまま、気を失うように眠りについていく。
頭が痛い。そう思いながら僕は目を開ける。
陽の光に対して僕は眩しさに中指を立てる。
「今日も結局生きてるんだ……」
ふとそこに無いはずの罪悪感が僕を覆う
一人寂しく朝を過ごし昼を夕も過ぎ去って
赤い雫の跡と共に色々な名前の書かれた袋やらシートがある。
いつものように薬を大量に飲み干していたらしい。
そう感じながら、ベッドから降りる。
ふと気付いた。何かおかしい。そうだ、部屋が荒れている。
まさか泥棒?!そう思いつつドアの鍵や、窓を見ても鍵が閉まっている。
ドアに今なにか、そうやって目をそちらにやると、僕の字で消えたい。死にたい。そう描き殴られていた。とりあえず医者に行こう。その前にこれを写真に撮ろう。
そして目の前にある消えたい死にたいと描き殴られているそのドアを今日もまたいつものように磨いてる。
いつかこの字のように消えれいければいいのに、僕なんてこの世界から消え去ってしまえたらいいのに。
……よし。これでいい。おっともう出る時間か。
辛いからこそいかなきゃならない。
今日も僕は街中を歩きながら、高いビルを見遣る。
医者ではいつも通りのことが行われるだけであった事を報告して、薬についてあれこれ悩んで、帰る。それだけなんだ。
それだけだからこそ、こうして腕に線が増える。
結局今日も何も自分らしく生きれなかった。
何一つなし得なかった。
ただ、この横にいるフワッとした、道端で見かけた時はヨタヨタとしていたこの子を連れ帰って来て、僕は少し微笑むことが出来た。
とりあえずこの子の為に生きよう。
それがこの子の……
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