崔逞1  五姓八君

崔逞さいてい、字は叔祖しゅくそ清河せいが東武城ひがしぶじょうの人だ。曹魏そうぎにて大きな存在感を示し、やがては曹操そうそうに処刑された崔琰さいえんの六代下の子孫である。曾祖父は崔諒さいりょう西晉せいしん中書令ちゅうしょれい。祖父は崔遇さいぐう石虎せきこに仕え、特進とくしんに至った。父は崔瑜さいゆ黃門郎こうもんろう。一気に官位が落ちた。


崔逞は幼い頃より文学を好み、文才があった。やがて騒乱に遭遇、親を失い、貧乏暮らしとなった。自ら田畑を耕すも、決して学問を諦めることはなかった。慕容暐ぼよういの時代に郡が上計掾じょうけいえんに推挙。間もなく著作郎ちょさくろうに任じられ、『燕記えんき』を撰じることとなった。黃門侍郎こうもんじろうに転じた。


苻堅ふけん前燕ぜんえんを滅ぼすと、齊郡太守せいぐんたいしゅに任じられた。苻堅が滅ぶと東晋に帰属、清河せいが平原へいげん二郡太守にぐんたいしゅとなったしかし翟遼てきりょうに捕らえられ、中書令ちゅうしょれいに任じられた。慕容垂ぼようすい翟釗てきしょうを滅ぼすと、祕書監ひしょかんに。慕容寶ぼようほう和龍わりゅうに逃げたときにはだいにとどまり、吏部尚書りぶしょうしょとなった。慕容驎ぼようりんが立つと、崔逞は妻子を引き連れ拓跋珪たくばつけいの元に亡命した。


張袞ちょうこんはもともと崔逞を讃えていたため、見えると非常に重んじる禮遇をなした。尚書しょうしょに任じられ、政治に参与。三十六曹を取りまとめ、別に直族の官吏もつけられ、門下省もんかしょうに詰めた。間もなくして御史中丞ぎょしちゅうじょうとなった。




崔逞,字叔祖,清河東武城人也,魏中尉琰之六世孫。曾祖諒,晉中書令。祖遇,仕石虎,為特進。父瑜,黃門郎。

逞少好學,有文才。遭亂,孤貧,躬耕于野,而講誦不廢。慕容暐時,郡舉上計掾,補著作郎,撰燕記。遷黃門侍郎。及苻堅并慕容暐,以為齊郡太守。堅敗,司馬昌明以逞為清河、平原二郡太守。為翟遼所虜,授以中書令。慕容垂滅翟釗,以為祕書監。慕容寶東走和龍,為留臺吏部尚書。及慕容驎立,逞攜妻子亡歸太祖。張袞先稱美逞,及見,禮遇甚重。拜為尚書,任以政事,錄三十六曹,別給吏屬,居門下省。尋除御史中丞。


(魏書32-2)




https://kakuyomu.jp/my/works/1177354055365070928/episodes/16816700428657696027

ここで既に訳してるんですけどね。まぁ屠本十六国春秋はあくまで十六国の範囲内に留まりますので勘弁なされて。あとあっちに出てくる「逞亦不得其死。」の意味を理解できてない状況は保管しときませんとね。


次話。死ぬ。

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