于栗磾3 VS死

拓跋燾たくばつとう赫連昌かくれんしょうを討伐するにあたり、于栗磾うりつてい周幾しゅうき陝城きょうじょうを攻めるべく命が下った。夏将の曹達そうたつは戦わずして逃亡。于栗磾は勝ちに乗じて進軍、潼関どうかんを抜き、長安ちょうあん近くにまで進撃する。この功績より公に進爵し、安南將軍あんなんしょうぐんを加えられた。統萬城とうまんじょうを陥落させると、蒲坂ほはんの守備に任じられた。


この頃、弘農こうのう河內かだい上黨じょうとうの三郡では群盗が決起していた。于栗磾はその討伐に当たった。その後、虎牢鎮大將ころうちんだいしょうに任じられ、督河內軍とくかだいぐんとなった。間も無くして使持節しじせつ、都督(ととく》兗相二州えんしょうにしゅう諸軍事しょぐんじ鎮南將軍ちんなんしょうぐん枋頭都將ほうとうとしょうに転じた。また外都大官がいとたいかんにも任じられた。その裁判ごとにおける裁きは極めて厳正であり、その声望はあたりに轟き渡った。75 歳で死亡。東園祕器、朝服一具、衣一襲が下賜され。太尉江公たいいこうが追贈された。


于栗磾は幼い頃より軍事をおさめ、老境に至ってもその判断力は優れており、ひとたび出征すれば敵うものはいなかった。加えて目下の者たちにも謙虚に接し、むやみやたらな刑罰を下すこともなかった。拓跋燾はその死を甚だ惜しんだ。




世祖之征赫連昌,敕栗磾與宋兵將軍、交趾侯周幾襲陝城。昌弘農太守曹達不戰而走。乘勝長驅,仍至三輔。進爵為公,加安南將軍。平統萬,遷蒲坂鎮將。時弘農、河內、上黨三郡賊起,栗磾討之。轉虎牢鎮大將,加督河內軍。尋遷使持節、都督兗相二州諸軍事、鎮南將軍、枋頭都將。又為外都大官,平刑折獄,甚有聲稱。卒,年七十五。賜東園祕器、朝服一具、衣一襲。贈太尉公。

栗磾自少治戎,迄于白首,臨事善斷,所向無前。加以謙虛下士,刑罰不濫。世祖甚悼惜之。


(魏書31-15)




めちゃかっこいい、かっこいいのだが、なんでこうもあらすじやねんってゆうね。なんでこうも他の将における伝を載せてくれないのだ、と悲しくてなりません。あっさりしすぎでしょ。いやそのぶん妄想が捗ると言えばそれはそれでいいんですが。


なんか色々勿体無いよなーと思わされる伝でした。まあこの感じだと記録が遺失しちゃってたんでしょうね。于栗磾レベルになると民間伝承とかで面白い話も転がってそうだなー。そういうのも拾えると面白そうですね。


まぁ、今は魏書を追いましょう。次巻よりは、ある意味一番楽しみであったと言ってもいい、後燕よりの帰属者たちが始まります。最高だけでお預けくらってましたからね、この辺の人物たちの話が伺えるの、めっちゃ楽しみなのですよ。

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