第2話 新たな出会い

目が覚めると、雲がひとつもない晴れた空だった。

悠哉「俺、死んだよな、まあいいか」

気持ちよかったので、空を眺めていると、魔法使いの帽子を被った少女が落ちてきた。

空から人間が降ってきたことに驚いたが、兄に教わった応急処置で、少女を手当てしていると、首輪のような物があることに気づく。

悠哉「ひとまず、これでよし」

悠哉がその場から離れようとすると

少女「あっ、あの」

悠哉「しばらく動かないほうがいいよ、大怪我してるから」

少女「怪我ならあなたの白魔術で治して頂けました」

悠哉「白魔術?」

少女「えっと、確か人を回復する魔術だったような」

悠哉「普通に応急処置しただけだけど」

少女「とにかく、ありがとうございます」

悠哉「あの、一つ聞いていい?」

少女「はい」

悠哉「なんで、空から落ちてきたの?」

少女「それは、飛行魔法が上達してなくて」

悠哉「飛行魔法……」

少女「えっと、ほうきを使えば飛べます」

少女が使ったほうきは折れてしまっていた。

悠哉「どういうこと?」

少女「ほうきにマナを込めると飛べるのですが、」

少女に魔法について聞こうとするが、難しいことは答えられないとのこと

さらに自分は落ちこぼれの見習い魔法使いなので、詳しい話は、兄に聞いた方が良いと、少女の家に案内される。

悠哉「俺は、堀川悠哉。君の名前は?」

リナ「リナ・クロード。落ちこぼれの見習い魔法使いです。」

悠哉「俺も」

道中、裕也は少女の名前を聞き、自分の家庭の話をする。

リナも自分も落ちこぼれであると、言う話をして、2人は意気投合する。

リナの家は、裕哉に取って不思議なものだった。

空中に浮くフライパンが目玉焼きを作っていたり、飲み物が勝手に注がれていたりと、前世ではありえないことだった。

佑哉とリナがくつろいでいると、上から物音がした。

上から降ってきた人物に驚き、怪我しているのではと様子を見に行くと、何も無かったかのように、その人物は立ち上がったが、目に包帯をしていた。

リナ曰く、その人物とは、リナの兄で目が見えないが、学園都市エステルの首席であること、兄は全属性の魔法を使える魔法使いであることを佑哉に早口で説明する。


リナの兄「リア・クロードだ、よろしく頼む」

悠哉「堀川悠哉です」

リア「珍しい名前だね」

リナ「リナを助けてくださいました、あと魔法について知りたいらしく」

リア「妹を助けてくれてありがとう、少年」

悠哉「怪我人がいれば、助けるのが当然といいますか」

リア「リナ、白魔術に関する本を1冊、持ってきたら授業に行くように」

リナ「はい、お兄様。」

リナは本をリアに渡すと、授業に向かった。


悠哉「あの、学園都市エステルって?」

リア「魔法を学ぶ教育機関かな」

悠哉「リナは落ちこぼれとか。」

リア「優秀な子なんだよ、呪いのせいで魔力が落ちてるだけで」

悠哉「ひょっとして、首輪と関係あったり」

リア「魔王との戦闘でね、魔力を封印されたのさ」

悠哉「すみません余計なことを」

リア「君には知っておいて欲しいからね。」


リアは悠哉にこの世界のことを説明する、魔王が支配しており、魔法学園都市エステルは魔王を倒す為にできた魔法使いの教育機関であること、昔、魔王と戦った影響で目が見えないことを説明した。


悠哉「だから包帯を」

リア「ある程度は魔法でなんとかなるから不便なことは無いから。」


悠哉がリアに白魔術について教えてもらおうとすると、リアが帰ってきた。


リナ「魔法は難しいです。リナの杖からは炎が出ません」

リア「焦ることはないよ、リナ。ちょうど白魔術について勉強するところだ」

リナ「リナは魔王を倒してお兄様の目を取り戻すのです。」

悠哉「魔王を倒すと、呪いが溶けるのか」

リナ「はい、でもAクラスにならないと学園都市エステルから出れなくて」

リア「さあ、勉強するよ」

悠哉にはリアから杖が与えられ勉強することになった。

リナを治した経験があるからか、悠哉は白魔術を使えるようになった。

リナ「やっぱりリナは難しいです」

リナは白魔術に向いていないらしく、使えなかった。

リア「今日はここまでにしようか」

リナ「すみません、リナが落ちこぼれなので迷惑をかけてしまい」

リア「気にしなくていい」

悠哉「リナ……」

リナ「すみません、ほうきを忘れてきたので取りに戻ります」

リア「待つんだ、この時間は」


夜になると魔物が出やすくなるらしい、特にリナは魔王に狙われているので、危なかった。


悠哉「俺行ってきます。」

リア「頼んだ、学園にも要請をしておく」


悠哉はリナを探しに行った。






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