第22話

最初の企画はただの挨拶なので自己紹介などをとった。私のインスタグラムや彼のSNSなどの情報も入れ込んでおいた。



映像を編集するのは彼と交互にすることにした。撮り溜めておいてどんどん公開していくことにした。



「今日これからデートに行かない?」


そう彼は、目をうるうるさせてお願いする犬のような目で行って来た。彼は大きな犬だ。




「それ動画にします?」


私が聞くと彼は頷いた。



「なら、行きます。」


私はこの人と偽装カップルなだけだと一線を引きたかったからだ。SNSのために行くんだ。そう思って私は気を許した。ただの言い訳が欲しかったのかもしれない。彼に少しずつ惹かれていることを隠すような。




彼と近くの個室の焼肉屋さんに行くことにした。そこは和を意識したような空間で、とても綺麗でありつつ、個室であることで人の目を避けられるところがすごく良かった。




「どんな動画にするのか話し合ってなかったけどどうするの?」



「いっぱい食べる君が好きみたいな感じのショートムービーを撮ろうかな。ロングも撮りつつ。」


すると机にカメラなどの機材を出した。


お肉が来ると写真を撮り、焼いて食べて美味しいって喜ぶ手をグッドポーズにして動画を撮った。

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