第21話

彼の足が少しでも動くと当たりそうで、緊張する…。


あれ、なんで私緊張するんだろう。ただの異性ではないか…。初めての男の人の家だからかな…。


彼はどんどん話しだす。この場所で撮影するか。LINEで送ってきた企画内容をまとめておいた。どんなところに旅行に行きたい?何が好き?まるで昔はやっていたプロフィール帳を書くような勢いで色々聞いてくる。その度に佐藤さんは?って私が聞くのだ。



「あのさ、佐藤じゃなくて、湊って呼んだくれないかな?」


「え?」

そんなことを言われるなんてびっくりした。


「恋人同士なら名前を呼ぶでしょ。」



そうだな。と思いつつ、勇気が出ない…。緊張する。なんだか、むず痒い感じだ。



「みなと、、くん。」


「まぁ、呼び捨てじゃないけどいいか。じゃあ、僕は佳奈って呼ばせてもらうよ。」



彼はとても満足そうに笑った。



きゅん。きゃん?いま、私少しときめかなかった?え?気のせいか。そんなことを言っていると、最初に出すものの企画を始めた。最初は挨拶程度にしようということになったので、今日のうちに撮ることにした。

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