第11話

すると彼は涼しげな顔で、



「うーん。それもそうだけど、カップルチャンネル憧れるんだよね。」


と恥ずかしげもなく言ってきた。



「は?」




それくらいの理由で言ってくるものなの?頭おかしいんじゃないの?




「戸惑うのもわかるけど、今のSNSの自分に満足しきれてないというか、周りの女の子は、僕の肩書きとか顔とかにやってくるだけで、そういうことすることじゃないというか。」



彼はニコッと綺麗な顔でこちらを覗いてきた。




「私も最近フォロワーが増えなくて悲しかったけど、それくらいの軽い気持ちなのね。一生懸命に考えて損したわ。お断りするわ。」




「この前、ファンを裏切りたくないって言ってたけど、ファンは僕たちの幸せも願っていると思うよ。」



「それはそうかもしれないけど…。」



「ね!でしょ!じゃあ、今日の夕方遊ヶ丘の公園で待ってるから来てね。」



そう言い捨てて、彼はすぐ教室に入って行った。




逃げ足早!と私は心の中で思ったがすぐにその考えより、待ってるという言葉に気づいて驚いた。





デートじゃないか?



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