第10話

佐藤湊…。ここまで人気だったとは。そして、なぜ今更カップルチャンネルをやる必要があるのかよくわからない。





そんなことを考えながら、1週間経って佐藤湊と同じ授業の日がやってきた。



ほとんど桜も散ってまだ暑くはないが段々と気温も高くなってきた。学校に行く途中に佐藤湊を見かけた。周りにはファンであろう女の子が何人もいた。有名人の出待ちかよ。そんなことを思いながら、私は後をついて行った。




大学に入ると一部の女の子しかいなくなった。大学内のファンだろう。そんな様子を見ているうちにふと目があってしまった。佐藤湊は、大きく手を振り、私に近づいてきた。




え。なんでこの人近づいてきてるの?




そんなことを考えながら、私は戸惑いを隠さずにいた。




「おはよう!杉本さん。」


「おはよう。佐藤くん。」


「考えてくれた?気持ち変わった?」


すぐに私にそんなことを聞いてきた。私は悩んでいたので少し間を置いて、


「なんで、あなたがカップルチャンネルをやりたいと思っているのかよくわからない。今でもフォロワー多いのにファンが減っちゃうから、マイナスだよね?」



私は正直にこの綺麗な顔の男に告げた。

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