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「警察沙汰にならなきゃ大丈夫じゃね?」

「学校のサツマイモ引き抜きながら言う言葉じゃないよなあ」

 深夜。学園の裏手のサツマイモ畑に不法侵入した俺たちは、無許可でサツマイモを引き抜きながらこの後の計画を話し合っていた。

「とりあえず三丁目の小幡さんにあげて、校長も欲しいだろうし校長にも送りつけとくか」

「学校の盗品を校長に送るとか猟奇殺人犯かよ。あと小幡さんはサツマイモアンチだぞ」

「じゃあどうするって言うんだよ」

「スイートポテトだ」

「はあ?」

「まず原形がわからないくらいに加工してしまえばバレたところでしらばっくれることができるし、焼き芋とか八百屋に売るよりも利益率が見込める。あと妹が好きだ」

「最後の言葉にほぼ集約されてるじゃねえか。つーかスイートポテトってそんなに売れるのかよ」

「芋だぞ! みんな大好きに決まってんだろ!」

「芋への信頼厚くね? そういう青木はスイートポテト好きなのか?」

「サツマイモってまずくね?」

「張り倒すぞ」

「まぁ待て。実際スイーツにすると売れたりするし、片手で持てるならウケがいい。特に女子はそういうものが好きだから、商店街の入口で売る。どうなると思う?」

「とりあえずここのサツマイモ全部収穫してさっさと帰ろうぜ。明日もテストだし!」

「聞けよ! つーかテスト前日にやることがサツマイモを盗むこととはな……」

「明日の最初の科目なんだっけ」

「英語だろ」

「英語かあ、あれ苦手なんだよなあ」

「じゃあサツマイモは英語で?」

「Satsumaimo……」

「赤点おめでとう」

 ちなみに引き抜いていたのが隣のジャガイモだと気付くのは帰ってからであり、とりあえず計画の破綻が見えたので埋め直しに来ることになった。

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