謎のジョブ〈ゴミ使い〉が最強すぎました ～茫然自失から始まるまったりダンジョン探索ライフ～

29「捜査情報１」

質問：あなたが見た一部始終を説明してください。

回答：当事者Ｋが空瀬駅に戻る途中、頭を抱えながら何かを繰り返しつぶやいている被害者（以降Ｈとする）を見た。当事者Ｋは、彼女が最近の誘拐事件の犯人ではないかと疑っており、警戒しながら接近した。Ｈは「男ではなく女の子が欲しい」「何も考えられない、違う」と繰り返していた。声をかけたところ、Ｈはふらつきながら当事者Ｋに寄りかかった。脈拍や体温がないことに気付いた当事者Ｋが声をかけると、Ｈの発言がやや安定、上述の通りの内容を途切れず話した。その後Ｈは後ろ向きに倒れこみ、目の前から消えた。

質問：被害者とはどのような関係でしたか。

回答：探索者として同じパーティーで戦い、当事者Ｋは前衛でＨは後衛だった。ほかの女性メンバー（以降Ｙとする）を家に連れ込んでいたようだった。その日からＹのＳＮＳにおける言動がおかしくなり、何日も自宅に帰っていなかった。（Ｙと当事者は同じアパート・階に住んでいる）このような根拠から、当事者ＫはＨが探索者誘拐事件の犯人である可能性を疑っていた。

質問：あなたが所持しているスキルの内容を説明してください。

回答：ゴミを人間に変えることができるスキル。それらの人間を収容する施設を作り出すスキル。アクセサリーには、刃の増加・浮遊する刃の精密操作・切り付けた相手をさらに傷つける、という三つのスキルがある。

（鑑定済み。配下はガラス＝アクセサリーと同一、トランク＝空間操作の能力アリ）

質問：なぜ空瀬に来たのですか。

回答：探索者免許を取った当日、ジョブ〈ゴミ使い〉がつまらないものだと錯覚した。気晴らしに空瀬に来たところ、砂浜でスキルを発動、配下を得た。太松浜にはたくさんのゴミがあり、もう一人配下を増やそうと考えていた。遭遇した老人に幽霊が出る・危険であると強く警告され、配下を増やすことはできなかった。

質問：あなたから見て、Ｈはどのような人物でしたか。

回答：かなり無口で顔も隠しており、どのような性格だったのかよくわからない。とてもセクシーなジョブコスチュームに身を包んでいたが、それを恥じらう様子はいっさいなかった。ダンジョン外ではパンツルックで、まったくの無表情。じろじろ見ても咎められることがなかった。自宅に連れ込んでいたと思しきＹとは、フランクに会話していたのかもしれない。

質問：ＹのＳＮＳにおける言動がおかしいと感じた根拠を述べてください。

回答：Ｙはネットミームやジャーゴンを多用する人物だった。Ｈ宅に行ったと思われる日から、言葉遣いが大きく変わり、敬語で話すようになった。また、ふだん会話するときのＹはおどおどしていたが、Ｈ宅から探索へ直接やってきた日、そのような様子がなかった。Ｙの言動については知り合い（以降ｈとする）が詳しい。

質問：あなたのスキルが人間を作り出せる理由はなんだと思いますか。

回答：占い師に「マイナスに傾いている」と言われた。スキルの説明を読む限り、人間を作るスキルだとは考えていない。前例が少ないため、検証を希望する。

（却下）

質問：Ｈに魅力を感じたことはありますか。

回答：初対面ではとてもセクシーだと感じた。しかし、とても無口で無表情だったため、次第に興味をなくした。隣人のｈと仲良くなったため、そちらに興味が移った。

質問：あなたの性的嗜好を答えてください。

回答：湯上りなど肌が上気し、リラックスしている女性。また、下着姿の女性。下着の色は寒色のペールトーンがよい。女性との交際経験はあるが、性交の経験はなし。マッサージが得意で、交際していた女性にも行っていた。性交寸前までこぎつけたことがあるが、女性側がリラックスして寝てしまい、その後別れた。

質問：あなたの武器に使用した痕跡がない理由を教えてください。

回答：これまで適正武器がなかったため、配下にアクセサリーを作らせ、それを使用して戦っていた。今日の午前にｈと買い物に出かけ、防具を揃えるついでに武器を購入した。まだ一度も使用しておらず、装備もしていなかった。

質問：配下に対する印象を教えてください。

回答：自分より高いステータスを持つ頼れる味方。トランクに関しては、自分よりも長い人生経験を持ち、料理上手であるためとても助かっている。ガラスは戦闘能力がすさまじいがやや幼い印象があり、トランクやｈと共に道徳教育を行いたいと考えている。スキルを得てよかったと考えている。

質問：被害者名簿の中で、知っている人物はいますか。

回答：（激しく錯乱し、回答不能）

質問：これまでのすべての回答が真実であることを誓えますか。

回答：はい

（鑑定済み）

質問：捜査協力についての雑感を述べてください。

回答：いろいろなことを聞かれて困惑した。思ったよりもフレンドリーに会話ができたため、緊張は少なかった。このような事件を起こした犯人を許してはならないと考える。自分の性的嗜好についての情報は、削除してもらいたい。（却下）