第10話:俺が求めたもの、すべて。

俺のストレス障害を癒したのは寧々ちゃんの献身的介護だった。


寧々ちゃんには不思議な能力があって俺が寝てる間じゅう白蛇に戻って、

俺に寄り添ってくれていた。

白蛇から放たれるオーラ?ヒーリング効果によって俺の精神は癒された。


ストレス障害を患うとウツになったり、精神的に崩壊したり、長い人では

10年も苦しむ人もいるってことだ。


でも俺の場合は寧々ちゃんのおかげで一年足らで元どおり元気をとりもどした。


その間、ミッチーは俺の負担を考えてくれて神社に移り住んだ。

ピーチ姫は俺のマンションにいてが、生活のためにと言って働きに出て

俺たちを支えてくれた。


人間にだってそんな人はそうはいない。

ピーチ姫・・・桃香ちゃんに感謝だ。

将来ミッチーが神主になったら、神社に移るんだってピーチ姫は嬉しそうに

言っていた。

ミッチーも素敵な彼女に恵まれたんだな。


俺は寧々ちゃんのおかげで一時的にではあるがリッチになった。

でも、精神的に病んで、その地位も危ぶまれることになった。

だから、デザイン事務所は退社した。

で、元のフリーに戻ったてまた古民家デザイナーを細々と始めた。


もしかしたら俺がストレス障害にならなかったら、そのまま

天狗になって身を持ち崩していたかもしれない。

贅沢三昧に我を失って、身上を潰していたかもしれなかった。


これは不幸中の幸いと言えたのかもしれないって俺は思った。

目から鱗の出来後だった。


今はリッチだった時より暮らしは苦しくなったが、また自由が戻ってきた。

人間にとってなにが大切か・・・俺は改めて知った。


心が豊かってのは宝だ。

そして俺にとって寧々ちゃんこそ世界一の宝物。


思うんだけどこれはご神体である寧々ちゃんのご利益だったのかもしれないって。


この経験を基に、俺は寧々ちゃんと田舎に引っ越そうと思った。

それから俺はマンションを売っぱらって田舎の古民家を買った。


場所は寧々ちゃんの第二の故郷、白滝さんがある三重県の田舎町。

で、自ら古民家をデザイン改造してカフェをオープンすることにした。


それには寧々ちゃんも大賛成してくれた。


さすがに素人の俺には無理だから、リフォームは知り合いの工務店にお願いした。

そして数ヶ月後、おしゃれな古民家カフェが誕生した。


店の名前はもちろん縁起のいい「白蛇の夢」


基本的に白蛇の夢を見たら、恋愛運、仕事運、金運など、全体的に運気が

上がっていくって言わられるから・・・。


たしかに寧々ちゃんはそうだった。


やっぱり夢と自由は自分の手で掴む・・・寧々ちゃんだけに頼っちゃいけない・・・でもこれだって実は寧々ちゃんの恩恵だったかもしれない。


カフェにはピーチ姫も来てもらった。

店に超べっぴんさんのウェイトレスがいたら最強だろ?


まあ、客はぼちぼち来てくれたらいい・・・欲は出さない。

寧々ちゃんと、のんびりカフェを営んでさえ行けたら・・・。


で、店がオープンの日、俺の知り合いがお祝いにかけてうけてくれた。

俺はこれでよかっんたんだと、この幸せをかみしめた。


その知り合いたちの中に混じって、見知らぬ老人はいた。

俺は知らない・・・誰だろうって不思議に思った


そしたら急に寧々ちゃんがその老人に駆け寄って言ったんだ。


「参人ちゃん・・・久しぶり・・・元気してた?」


「寧々、久しぶりだの・・・いろいろ探したで・・・こんなところで店をやって

おったたとはな・・・ 」


俺はその老人のことがすぐに分かった、寧々ちゃんが参人ちゃんって

呼んだからだ。

その老人はたぶん、崑崙山とかってところに住んでる、寧々ちゃんのお師匠さん

幽老参人ゆうろうさんじんって仙人だってこと。


「あ、参人様・・・お久しぶりです、来てくれたんですか?」


「おお桃香か・・・おまえも元気そうだな・・・なんじゃおまえら一緒に

いたのか?」

「うん、いろいろあって、今はお姉ちゃんと一緒にいるんだよ」


「おまえら・・・ふたりとも修行を途中でほったらかして山を降りて行った

だろうが・・・」

「俗世間が気になっちゃったからね・・・ごめんね参人ちゃん」


そう言われて寧々ちゃんはこれまでに自分に起きた出来事をお参人さんに話した。


「そうか苦労したようじゃが、今は幸せにやってるようじゃの」

「桃香も幸せか?」


「うん、とっても・・・」


「何もかも、そこにいるイッ君のおかげ・・・私の世界愛しい人」


「そうか・・・ではもう崑崙山に帰る気はないか?」


「一生帰らないから・・・わたしは自分に必要な人と住む場所見つけたからね」


「そうか・・・いい店じゃの・・・ワシも時間ができた時、店にお邪魔するで」


「桃香も・・・元気でな・・・」


「参人様も・・・」


「参人ちゃん、また来てね、待ってるからね」

「寧々・・・自営業は厳しいときもあるじゃろ、じゃがそういう時こそ

おまえがちゃんと支えていくんじゃぞ」


「分かった、一生支えていく・・・」


寧々の言葉を聞いて幽老参人は満足したげに帰って行った。


で、相変わらず店が暇なときは俺たちは店の奥に引っ込んでエッチに

あけくれていた。

寧々ちゃんはエッチなしじゃ生きられない。

そしてまた脱皮したせいで、寧々ちゃんは究極にエロくなった。


そうそう言い忘れてたけど、ミッチーは神社の後を継いで、りっぱな神主に

なった。

そのうちピーチ姫を迎えに来るだろう。


思えば俺は自分が求めていたものを、すべて手入れたような気がする。

これこそ真のリッチって言えるんじゃないだろうか、なんちゃって。


そして古民家カフェは今日も美人ウィトレスふたりが甲斐甲斐しく働いていた。

笑顔を振りまきながら・・・。


ってことで彼女たちが、白蛇と桃蛇だってことは誰も知らない。


おしまいです。


第11話はありませぬ、なんだか最後はいい話で終わりましたね。

ほんとは酒池肉林エロ満載の話になるはずだったんですけど、そこまでやると

きっとカクヨムの運営さんから、コラコラってお叱りを受けるのでいい話で

終わってみました。

ここまで読んんでくださってありがとうございました。

see you・・・感謝です。m(_ _)m

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私、エロいけど心臓とか肝臓は食べないからね。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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