第6話:訪ねて来た女連れの若いおニイちゃん。
ある日のこと、俺の家に女連れの若いおニイちゃんが訪ねてきた。
その男は頭を丸坊主にしていて、その男の後ろに髪がピンク色の可愛い女の子
を連れていた。
「あの、こちらに寧々さんはいらっしゃいますか?」
(寧々ちゃんがここにいることは誰も知らないはずなのに・・・
こいつ、なんで寧々ちゃんがここにいるって知ってるんだ・・・)
「あんた、誰・・・寧々なんて子は俺んちにはいないね」
「忙しいから帰ってくれる?」
「お宅にいることは分かってるんです」
「だから・・・あんた誰?」
「申し遅れました・・・私、
「はあ・・・その菅原さんが寧々ちゃんにどんなご用で・・・」
「実はですね・・・あ、その前にご紹介しておきます・・・私の連れです」
そう言って菅原さんは、自分の後ろに控えていた女性を俺に紹介した。
「彼女、桃香ちゃんって言いまして、実はこの子の正体は寧々さんと同じ蛇でして、
寧々さんは白蛇ですけど、この子は桃蛇なんです」
「おえ、白蛇は聞いたことあるけど桃蛇なんて聞いたことないけど・・・」
「ってことは単純に言うと・・・彼女、蛇の時は桃色の蛇ってこと?」
「はじめまして桃香です」
「はあ、どうも〜」
「ちょ、ちょっと待ってくださいね」
桃蛇って聞いて、俺は寧々ちゃんを呼んだ。
「寧々ちゃん・・・ちょっと来て」
寧々ちゃんは面倒くさそうに玄関先までやってきた。
「なに〜?」
「こちら、菅原道之助さんに、ほんでもってこちらは桃蛇の・・・桃香ちゃん・・・
だって・・・」
「なんか俺の知らないところで寧々ちゃんと関係ありそう・・・」
「寧々ちゃん知ってる?、この人たち」
「坊主のおニイちゃんのほうは知らないけど・・・」
「桃香がなんでここにいるのよ」
「あの私が連れてきました」
丸坊主が言った。
「お姉ちゃん、元気だった?」
「お、お姉ちゃん?・・・お姉ちゃんって寧々ちゃんに妹なんかいたのか?」
「イッ君には、妹がいるなんて言ってなかったからね」
「桃香、あんた人間の姿でいるってことは参人ちゃんの修行マスターしたのね」
「飽きっぽいあんたがよく修行に耐えたね」
「私もお姉ちゃんみたいになりたくて・・・」
「で、お姉ちゃんを追って下界へ降りてきたんだけど、そしたら災難に見舞われて・・・」
「桃瀧大明神さんまで逃げてきて、そこでずっと隠れてたの・・・」
「なに?・・・あんた1000年も、隠れてたの?」
「だね・・・長かったわ・・・」
「バッカじゃないの・・・」
「それ、そっくりお姉ちゃんに返してあげる」
「あの、すいません、いいでしょうか?」
「どうぞ・・・」
「それでですね、桃香ちゃんは最近まで桃瀧大明神のご神体をやってたんです」
「で、ある日、ご神体の桃色の玉から蛇になった桃香ちゃんが人間の女性に
姿を変えて、僕の枕元に立ったんです」
「で、私に向かってお姉ちゃんが、復活したって言うんです」
「驚きしかありませんでした・・・蛇が人間になるなんて・・・」
「それに桃瀧大明神と白瀧大明神はもともと姉妹神社なので、白瀧さの宮司さん
がうちの神社のご神体が行方不明になったって、おまえんとこのご神体は
大丈夫かってお見えになって・・・」
「で、私ならお姉ちゃんの居所分かるって桃香ちゃんが言うので、それで
桃香ちゃんを連れてお宅にお邪魔したってわけです」
「なるほど・・・俺も寧々ちゃんが白蛇って分かってちょっとビビりましたけど
おたくもですか?」
「俺、爬虫類ダメなんですよ」
「私は大丈夫です」
「実は私以外にも修行してる神主の卵がいるんですが、それなのになんで
桃香ちゃんが、私の枕元に立ったのかって聞いたら、
「私、あなたに惚れたからって言われまして・・・」
「まあ、たしかにご神体の玉を磨いたり、掃除したりしてたのは私ですけど」
「惚れられたって、お〜俺とよく似たパターン・・・」
「気の毒に・・・菅原さんだっけ?・・・あんたもう桃香ちゃんから
一生逃れないれないわ・・・」
「俺んちもそうだから」
「ちょっと〜イッ君、それどういう意味?」
「寧々ちゃんは気にしなくていいから、なんでもないから・・・」
「まあ、ふたりとも玄関で話すのもなんだから、上がります?」
「姉妹同士で積もる話もあるでしょうし・・・」
寧々ちゃんに妹がいたなんて・・・それも桃蛇って・・・桃ってだけで
なんかエロく感じる・・・姉妹揃ってエロいんだろうか?
俺は桃ちゃんに、にわかに興味が湧いてきた、しかも寧々ちゃんに
負けず劣らずのべっぴんさんだし・・・。
そんなこと思ってるって寧々ちゃんにバレたら締め殺されそうだけどね。
もし第7話があるなら、つづくと思う。
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