第2話:寧々ちゃんが1000年も封印されてた訳。

で、まあ、そんな訳で俺が余計なことしたせいで、蛇・・・ああ違う、蛇って

言ったら怒るからな・・・

だから 白蛇・・・って言うか寧々ちゃんは俺の家にすっかり納まってしまった。


俺は爬虫類がダメだから人間になったままでいてくれるならと、寧々ちゃんの

居候を許した。

でも、寧々ちゃんは自分でも言ってたとおり昼間っからでもエロいんだ。


もともと蛇・・・白蛇だから、なんだかクネクネしながら俺に絡みついてくる。


「あ、あのさ・・・仕事に集中できないんだけど・・・」

「そんなにべったりくっつかないでくれる・・・離れてくれる?」

「女の姿してたって無理だから・・・俺は爬虫類はダメなんだって言っただろ?」


「相手してくんないと寂しいもん・・・つまんないもん」


「じゃ〜白瀧大明神しらたきだいみょうじんへ帰れよ」


「やだ」

「なんでそやって白瀧ちゃんに返そうとするの?」

「私のこと嫌い?」


「嫌いじゃないけどさ・・・だから、今も言ったろ?爬虫類はダメだって・・・」


「慣れると平気だよ・・・噛んだりしないし」

「あ、エッチの時は興奮しちゃって噛んじゃうかもしれないけど・・・」

「でも心配いらないから・・・マムシとかハブみたいな毒なんかないからね」


「噛むのか?エッチの時・・・」


「だって、習性って言うか本能なんだもん」

「あ、それから、ひとつ言っとかなきゃいけないことがあるの」

「私ね、半年に一回くらい脱皮するからね、その時だけ白蛇に戻るから・・・ 」


「脱皮・・・ああそうか、でもそういうの、押入れの中でやって」

「一切見ないようにするから・・・」


「私の抜け殻、財布に入れとくと金運が舞い込むよ」


「まじで?」


「まじで、まじで・・・試しに宝くじ買ってみ?・・・絶対当たるから」


「ん〜ま、今度機会があったらね・・・」


「信じてないでしょ・・・」


「しつこいようだけど・・・本当にもう白瀧さんには帰らないつもり?」


「帰らない・・・だって私、あなたのこと好きになっちゃったんだもん」


「おえ?・・・なにそれ・・・好きになっちゃったって・・・まじでか?」


「あ、そうだ・・・いつまでも、あなたじゃいけないよね」

「名前・・・なんての?・・・あなたの、な・ま・え・・・教えて?」


「俺の名前は「堂島 一郎どうじま いちろう 」って言うんだ。


「いちろう?」

「はて?・・・そんな名前の有名な人いなかった?」


「たしかにいるけど・・・1000年も封印されてた寧々ちゃんが知ってる訳ないだろ」

「知ってたら脅威だわ・・・」


「ん〜まあいい・・・じゃ〜・・・あなたのことイッ君で呼んでいい?」


「イッ君でもイッちゃんでも、なんとでも・・・」


「ねえ、イッ君・・・お仕事なんかやめて私とニャンニャンしようよ」

「レロレロ、ペロペロでもいいし、ハメハメ、パコパコでもいいし〜・・・」


「俺は仕事しなくちゃ食べていけないの・・・寧々ちゃんみたいに暇じゃ

ないんだよ」

「それよりさ、なんで白瀧さんに1000年も封印されることになったの?」


「それ知りたい?」


「大いに知りたいね・・・俺、そういう伝記的で古そうな話嫌いじゃないから・・・」


「わかった・・・・あのね」

「私ね、山でのんびり日向ぼっこしてる時、ふいに大鷲に襲われちゃってね

瀕死の重傷を負ったのね」

「で、私このまま干からびちゃって死んじゃうのかなって思ってた時、

たまたま蓬莱山ほうらいさんって霊山から下界に降りてきてた 幽老参人ゆうろうさんじんって仙人ちゃんに助けられたの」


「で私は、傷の手当もかねて参人ちゃんと一緒に蓬莱山に行って、そのまま

参人ちゃんのお弟子ちゃんになっちゃって仙術の修行なんかすることになったの」

「そこで修行して仙術を身に付けたんだけどね・・・もともとひとっところに

じっとしてられない性格だから、参人ちゃんに内緒で下界に降りちゃったの」


「で、下界に降りて、そこで好きな人ができたんだけど、それが片思いでね、

私の正体を知った男が、私のことを邪悪な妖怪だってを訴えちゃったの」


「誤解だよ・・私なにも悪くないからね」


「でもね、私を退治するために法力を持った禅師ちゃんが私を捕まえにやってきて、

仙術で対抗したんだけど、私、か弱い女でしょ?・・・だからね力尽きて

無理やり封じ込められちゃったの・・・」


「で、いつのまにか白瀧ちゃんのご神体なんかに祀られちゃってたって訳・・・」

「ね、それが1000年も長き渡って封印されるとになった劇的ストーリーなの?」


「ほえ〜なんかさ、映画が一本できそうな話だな」

「それって君が、寧々ちゃんが考えたストーリー?」


「考えたんじゃなくって、まじ本気な話なの?」

「なんで私がそんな、面倒くさい話でっち上げなきゃいけないのよ」

「全部、ほんとのことだからね、信じなさいよ」


「そうなんだ・・・大変だったんだね・・・まあ死なくてよかったわ」

「だったら寧々ちゃんって、今でも仙術とかって使えるの?」


「どうなのかな・・・もう1000年使ってないからね、きっと鈍ってるね」


そういうと寧々ちゃんは、近くにあったティッシュケースを指差した。

するとティッシュケースがパッと燃えあがった。


「うそ・・・まじで?、やめろって、そんなことしたら火事になっちゃう

だろうが・・・」


「まだなんとか使えるみたいね」


「あのな、そんなこと、どこでも見境なく使うんじゃないよ・・・放火魔で

捕まるぞ」


「あと、なんでも凍らせることもできるし・・・」

「その他、いろいろ、説明するの面倒くさい」


「ってことは、なんだよ・・・雲に乗って空飛んだりなんかして・・・あはは」


「できるよ」


「ま、まじでか・・・孫悟空か、おまえ?」


「おまえ・・・じゃなくって寧々って呼んで・・」


「あ、ごめん、寧々ちゃん」


「それにしても想像絶するな・・・」

「にわかに信じられんわ・・・怖いわ・・・怪異だわ」


「そんなことより・・・ねえ、エッチしようよ・・・潤い欲しくない?」

「束の間の快楽欲しいって思わない?」



第3話がもしあるなら、つづくのじゃ。

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