涙雨

元 蜜

涙雨

雨よ もっと激しく降って


このまま帰れなくなれば


私たちは一晩中一緒にいることができるの




雨よ もっと強く香って


大切なものは壊せないから


私たちの愛し合った香りをどうか隠してほしい




雨よ もっと雨音を強くして


頭では分かっていても


あの人が去っていく足音は聞きたくないの




雨よ もっと私を濡らして


この別れに涙は必要ない


だからお願い 


このままずっとやまないで

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

涙雨 元 蜜 @motomitsu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説