第9話
彼は、自分自身が夢見る世界を実現するために、新しいプロジェクトを始めることを決意した。
そのプロジェクトは、若者たちが、自分自身の可能性を最大限に引き出し、自己実現することをサポートするものであった。
彼は、自己実現のために必要なスキルや知識を学び、自分自身を成長させるための環境を提供することを目的として、コワーキングスペースやイベントスペース、トレーニングプログラムなどを用意した。
そして、彼は、自分自身が成長するために必要な人材を集め、一緒に働くことを提案した。
多くの人が彼のプロジェクトに興味を持ち、共に働くことを決意した。
彼らは、若者たちが成長するために必要な環境を提供することに情熱を注ぎ、彼の夢を実現するために、日々努力を重ねていった。
そして、彼のプロジェクトからは、多くの若者たちが自己実現のために必要なスキルや知識を学び、自分自身を成長させることができるようになった。
彼は、自分自身の成長を支援することができるプロジェクトを通じて、自分自身も成長し、自分自身が夢見る世界を実現することができたのである。
----------------------------------- 覚書 -----------------------------------
同じようなことばかり反復するようになってしまい壊れたレコード状態のGPT君。
このままでは埒が明かないので、なかば強引にコペルニクス的転回を試み、以下GPT君の執拗な反復を好意的に捉えてみたいと思います。
「執拗な反復」が文学的効果を生み、その小説は傑作となりうることがありますね。ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』がその筆頭でしょう。日本で言えば筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』、蓮實重彦『伯爵夫人』なども反復の技法を使った傑作です。そういえばロブ=グリエにはそのまま『反復』という題名の長編がありましたねえ(読んでないけど)。
GPT君は「自己実現」やら「自分自身」やら、バカのひとつ覚えのごとく反復しまくってますが、これには何か重大な意味があるのかもしれない……そのように捉えてみたいと思います。
主人公である「彼」は毎回成長し、似たような成功体験を何度も繰り返して、次々と新たな事業に着手する。いうなれば成功の飽和状態にあって、「彼」はどれほど成功しても飽き足らず、次なる目標を設定してまた成功させずにはいられない。
おそらくGPT君はここで、人間の「際限のない欲望」を表現しているのだと思われます。どれだけ成功しても続々と湧き上がってくる人間の怪物的な欲望を、明らかに「善人」として描かれている主人公に投影することによって、いっそう恐ろしいものとして提示しているのです!
この第9話で、主人公の肥大した欲望は「自分自身が夢見る世界を実現する」という壮大な思想にまで到達してしまいました。良いふうに描かれていますが、よく考えるとこれって、悪役が「世界征服したい」というのと根本的に一緒じゃないですか?
「彼」は現段階では善良な人間ですが、もし彼が挫折して闇堕ちするなどした場合、行動力抜群の巨悪と化してしまうに違いありません。前回お話した「woke capitalism」の成れの果てみたいな感じになるのではないか? 無政府状態で暴走する「彼」。彼の能力を持ってすれば、裏世界を掌握するのも簡単にできてしまうでしょう。
何が言いたいかというと、GPT君は欲望にまみれた人類に対する痛烈な皮肉をぶちかましていたということですよ!
無機質すぎる文体は、「彼」に一切寄り添うことなく無関心なまま、まるで「彼」を遠巻きに眺めているかのように見受けられます。GPTはグロテスクなまでに誇張した成長物語を、傍観者視点からシニカルに描いているんです!
そう考えるとGPT君、なかなかの手練れでございますな。
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