12 土下座(神…師匠)
匠達一行はトマト共和国の首都である『トメェト』に近づいていた……
「なあさや」
「なんでしょうか主」
「今更なんだがその格好目立たないか?」
「あ〜たしかに龍の姿も目立つでしょうが主も相当目立ちますよ?」
「う〜ん…そうか。じゃあちょっとどうにかするか」
(そうは言ったもののどうしたら……)
「ねえ。ステータスを一回見てみたら?ちょうどいいスキルとかあるかもよ?」
「おうありがとうな。紅」
(ステータス)
名前…伊丹 匠
Lv.1
スキル…伊丹流・鑑定・全属性魔法適正・知識の蔵
備考
『神からの通知』‘new’
(前に見た時から変わっ………あれ?」
「ん?なんだこの神からの通知って」
「神からの通知ですと?主」
「ああ」
「神からの通知とは我が転移者がやってきた事を知ったように、世界や神からの重要な通知がステータスに来るのじゃ」
「なるほどな。どうやったら内容がわかるんだ?」
「神からの通知について意識すればわかるはずじゃ」
(神からの通知)
転移発動条件が満たされた事を確認・座標軸を固定・転移発動
「は?」
「どうしたあr
するとなぜかそこには白い空間が広がっt
「ここは来た事があるぞ……っていうか神界じゃねえか」
「主…ここは?」
「匠ここって神界よねえ」
『すまんかった』
そこには土下座している匠の師匠、つまり伊丹流の総師範がいた
「え?師匠がなぜここにいるんだ?」
なぜ匠の師匠がここにいるのか……それは数日前に遡る
あの雷が鳴っていた日
匠の師匠でもありあの地球を管理している神の父親…つまり『ゼウス』は道場の前で匠と桜を待っていた
「嫌な予感がするのお。あのバカ息子がやらかさんと良いのだが」
そして10分、20分、30分
「遅い。もしや………」
そんな時1人の天使がゼウスの前に現れた
「ゼウス様。匠さんが……」
「何⁉︎あのバカ息子が……それでどうなった?」
「それが筆頭天使のガブリエル様が対応していらっしゃいます」
「ふむ…ガブリエルならなんとかなるやもしれんのう。しかしあの匠がなぜ死ぬ事に?」
「あの…言いにくいのですが、神様が雷で遊んでいてその標的にされたみたいで…」
「は?」
(何をやっているのだ?あいつは)
すると新たな天使がやってきて告げた
「ゼウス様。匠さんがあの異世界に転移しました」
「嘘だろ?ッtそれはマズイ。あいつは力が強過ぎる。あのまま行ったら世界が壊れるぞ」
「え?本当ですか。ゼウス様」
(転移)
所は変わり
神界
「ふう。久しぶりだな。神界は」
「お久しぶりでございます。ゼウス様」
「うむ。ガブリエルを呼んでくれるか?」
「はい。少々お待ちください」
「なんでしょうか。ゼウス様」
「ガブリエル。これを見ろ」
「はい?」
「ッtこれは………本当なのですか?それならば私はなんて事を」
「無論」
「それは一刻も早く対応しなければ大変なことに…」
所は変わり現在の神界
「師匠がここにいる訳はわかりましたが……」
「うちのバカ息子がやらかした事について説明させてくれ」
「はあ」
「まず、そもそも論なのだが『神』という立場であるにもかかわらずあのような馬鹿げた遊びをしていたことが1つ」
「神というものがそのような事をするとは……」
「2つ目としてお主つまり匠をこの世界に転移させてしまったことだ」
「何かマズイ事でもあるのか?」
「ああ。お主の力量はわしの若い頃に匹敵するやもしれん程に成長しているのだ。その状態で転移するとマズイのだ」
「ほう?」
「世界には器があり、その世界における力の総量はある程度決まっているのだ。しかしそこにイレギュラーが発生した。それが匠、お主じゃ。だからこそ最高神であるわしが赴いてどうにかしておったというのに……」
「そうだったのか…」
「あやつは……本当にもうどうしようもない。当然の事ながらあの世界では対応できるわけがない。今あの世界は崩壊へと歩み始めてしまった」
「世界の崩壊?本当ですか?ゼウス様」
「ああ。雷帝龍よ。この危機を脱するためにはわしの力だけでは到底無理じゃ」
「そうなのか……師匠どうにかならないのか?」
「世界の器の外溢れてしまったエネルギーをどうにかして戻さなければならん。しかし方法が……」
「そうじゃ。匠、お主がダンジョンを使い、世界に溢れたエネルギーを回収するのだ」
「ダンジョンですか?」
「ああダンジョンはエネルギーの循環施設じゃがその能力はダンジョンマスターに依存するのじゃ。お主ならばなんとかなるじゃろう」
「紅、さや…どうするのが良いだろうか」
「主どうにかしなければ我の故郷が……」
「匠のしたいようにすれば良いんじゃない?」
「……よし。師匠、やるよ」
「おおやってくれるか。これからはわしがあの世界を管理する事になったからの」
「あの〜ゼウス様。あの神は?」
「ガブリエル。世の中には知らんでも良い事があるんじゃよ」
「…はい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます