11 トマト共和国

 そこには違和感でしか無い光景が広がっていた


「……なあさや。俺の目がおかしくなったのか?俺の目にはこの道の奥に向かうほど地面が赤くなっていくんだが」

「主…大丈夫だ。我にもそのように見える」

「だよな」

「はい」

「なぜだ?………調べるか」

 匠は頭の中で唱えた


「知識の蔵」


「匠が目を開けるとそこにはフィナがいた

「匠さん。なぜ来なかったんですか?待っていたんですが」

「すまんすまん。色々あってな」


「まあいいですけどね。別に気にして無いですけどね……」


「フィナ」

「はい。なんでしょうか」

「今トマト共和国に向かっているんだが、近づけば近づくほど地面が赤くなっていくんだけどなんでだ?」

「はい。これくらいでしたら口頭でお話しいたしますね」


「おう」

「トマト共和国ではトマトで満ち溢れています。地面の赤色はトマト共和国の人々の執念によって赤色に染まっているのです」

「そんなに執念が……」


「さらに街中ではトマトに周りを囲まれていると錯覚させるほどにトマトだらけなので、絶対にトマト嫌いには1時でもね過ごす事はできないでしょう」


「俺はトマト嫌いじゃ無いがさやは、どうだろう」

「さやというのは雷帝龍のことですか?」

「ああ俺が名付けた」

「ええええ。マジですか?名付けの意味わかっていますか?」


「いや。どういうことだ?」


「まずですね、名付けというのは龍族にとって結婚と同等の行為なのですよ?それが許されているという事は……」


「え?結婚?マジで?」

「はい」


(嘘だろ?どういう事なんだ?)

「あ…でもさやさん?に聞くのはやめた方がいいと思いますよ?」


「なぜだ?」


「もう〜匠さんは乙女心をわかって無いですね」

「えええ。あいつ女(メス?)だったのか‼︎」


「知らなかったんですか?」

「あ…あ」



(嘘だろ?………………)


「まあ…ありがとうな」


「またのおいでをお待ちしています」

(早く来てほしい……)

「おう。またな」

(ッt……なんであんなにカッコいいんですか?)


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