9 新たな出会い


 匠達が目を開けるとそこには元の光景が…


 無かった




「は?」


「え?嘘でしょ?」


 そこには先ほどの平原など無く、草では無く炎が広がっていた。


「何でこうなってるんだ?」



 するとあたりに風が吹き荒れ、炎は消えてゆく


「ねえあそこに見れるのってもしかして……」

「何!?あれはドラゴンじゃねえか」


 そこには赤黒い巨体の所謂ドラゴンがいた

「おい。そこの人間なぜここに居る?」

「知らん」

「は?我に向かって何を言っておるのだ?」


「あ〜なんかいつの間にかここに…」

「何?………もしやお前転移者か?」


「多…分」

「実はだな先ほど天界から通達があってな。なるほどそう言う事じゃったか」

(何とかなった?)


「だがな、街がどこにあるのかわかっておるのか?」

「おう。もちろん。なあ紅?」


「何で私に聞くのよ。さっき調べたんじゃ無いの?」


「調べたんだが、方角がわからん‼️」

「馬鹿」


「お主もしや馬鹿なのか?コンパスとか持っとらんのか?」

「急に飛ばされたからこの紅しか持ってないんだ」


「そうか‥ならばな」


 ドラゴンは空を見る

「向こうが北のようだ」


「マジか。ありがとう」


「何良いって事じゃ」

「じゃあまたな」


「待て待てその前にわしの名前ぐらい覚えていけ」


「a」

「もしかして忘れてたおったのか?わしじゃなければ燃やされてしまうぞ?」

 ドラゴンは空き地に火を吹きあたり一面を焼き尽くした


「おお流石ドラゴン」

「当たり前じゃいってそうでは無くてだな。わしの名前じゃ」


「そうだな。なんて言うんだ?」


「わしはな『雷帝龍』と呼ばれておる」

「おお雷帝龍か。凄え名前だな…ってかバリバリ炎ぶっ放してたのに雷なのか?」


「おうわしの本来の属性は雷だぞ?だからあの炎は暇潰しにやってただけだ。本気でやるなら雷を落とすさ」


「へえ〜」


「俺って魔法って使えると思うか?」


「使えると思うぞい」

「マジで?」


「ああ。お前かなり魔力が溢れてるからな。属性は知らんが何らかの魔法は使えるじゃろう」


「ちょっと待っておれ」


 雷帝龍は飛び立ち消えていった…と思った瞬間見え始めた

 そして何かを持って降り立った


「ほれ」

「?」

「これを使って調べてみろ。検査機じゃ」

「ここに流せば良いんだな?……」


「なあそもそも論言っていいか?」

「なんじゃ?」

「どうやって流したら良いんだ?魔力という物がどんな物なのか知らないんだが」

「おいおいそんだけ垂れ流しておいて魔力がわからないなんて事あるんか?」


「ほれ」

 雷帝龍は手(翼?)を出し、匠の体に触れた

「今流してるんだがわかるか?」

「おおこれか」


 ドドドド周りが揺れ出した

 そして紅が叫ぶ

「私に魔力を込めて。早く」


 そう実は匠の魔力が溢れ、さらに奥に押し込まれていた魔力まで出て来て暴走していたのだ


 雷帝龍までもが圧力に押され、苦しそうだ


「わかった」







「これで一安心ね」


「本当になんだったんだ?あれは」

「お前の魔力が暴走したんじゃよ。わかったか」


「あ〜そう言えばそんな事も書いてあったな。でも実際に体験するのと読むのとでは全然違うな」


「そりゃそうじゃよ。今でもわしは毎日が学びじゃ」


「確かにな。武術でも勉強でもやってみるのが1番だしな。良い教えだな。ありがとう」



「さて気を取り直して」


 匠はもう一度検査機に魔力を流した


 順番に赤、青、黄、黒、白、そして最後には虹のように光った


「これは…全属性ってコトだよな。たしか」

「そうじゃな。まさかこんなところで出合うとはの」


「???」


「わしはらドラゴンにはな、ただ1人の主人を決めるんじゃ」

「そうだな」


「だがなわしは力が有り余るあまり、主人を決めていなかったのじゃよ」


「それで?」

「だからお主…いや主、わしに仕えさせてくれ」


「ええええええええ。マジで言ってる?」


「もちろんzy…もちろんです」


「そうか…どうしたら良いかな?紅」

「う〜ん自分で決めたらどうかしら。自分の人生に大きく関わる事だから」


「そうだな……」






「よし一緒に行こうか雷帝龍」


「感謝します。主、全力で仕えさせて頂くぞ」


「よろしくな」

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