8 知識の蔵


「ようこそ知識の蔵へ。私は知識の蔵の案内人フィナよ」

「なあここはどこなんだ?」

「ここは今まで積み重ねられた全ての知識が所蔵されている蔵です」

「おお凄えな」

「勿論でございます。しかもここは現実世界とは区切られた空間。時間の進み方はとても遅いのです。ですからここに1年居たとしても向こうでは5秒程しか経ちません」


「そんなにか⁉︎」

「この『知識の蔵』と言うスキルはスキルの中でも強力な物です。だからこんな事もできてしまうんです」


 するとフィナは急に匠の手を叩いた

「なんだ?おい」

「スキルについての知識をインストールしておきました」


「そんな事も出来るのか」


「制限はありますけどね」


「それでは、調べたいことがおありでしたらご案内しますよ」

「じゃあまずはこの世界について知りたいんだがフィナ」

「かしこまりました。こちらでございます」



 するとフィナは本棚へ歩き始めた

 数分後……


「こちらになります」


 フィナは3冊の本を差し出した


 題名は「世界の誕生」「神とスキル」「世界の歴史」

 その本たちは簡単に読めるようなものでは無く、国語辞典のようにとても厚いものだった


「厚くね?」

「仕方ないじゃ無いですか。この世界について知るならこれ以上のものは無いんですから」


「仕方ねえか」


「ではこちらでお読みください」

 フィナは近くの机と椅子を指差した


「おう」










「はあ。疲れた。流石にあの文字数はキツイ」

「お疲れ様です」

「まあ大体分かった。行ってくるよ」

「何かあればお越しください。お待ちしております」

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