第15話「清掃時間の雷」
ひとたび、雷が鳴ると学校中が騒がしくなる。窓の外で
普段は日光で活躍できない蛍光灯が、外の暗さで下手に目立ち、怪しげな雰囲気を
「1,2,3……」
大きな光に顔を照らされたので、試しに数えてみる。3秒目で爆音が響き、
「…近いな」
と、呟いた。
廊下のゴミを
つくづく、馬鹿だなと思う。
そんな奴らを尻目に、今日も私は手を動かす。皆が面倒臭いと思うことを、自分も面倒臭いと思いながら、それでもそれをすることに意味があると信じて。
しかしそれも、自分を正当化するための単純な考えに過ぎないのだ。
「はあ」
そう思うと、溜息が出た。溜息をつくと、幸せが逃げると聞いたことがある。けれど私は、溜息をつく一瞬、少し心が軽くなる。胸につっかえた嫌なものを外に出せる気がするから。でもそんなものは本当に一瞬で、その後にはまた、つっかえた感覚だけが残るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます