第7話「本物のクズ」
教室には
気づいていないフリをして、私は自分の席で荷物を下ろした。
準備が終わって一段落着くと、
「はっ」
「うわーきっしょ!朝から身震いさせんなって」
その言葉がすべて自分に向けられていることを、私は痛いほど感じた。私の方が身震いをして、今すぐ逃げ出してしまいたい。
血の流れが止まったみたいに手が冷たくなって、それを
小学校のときも、悪口陰口はよくあった。そんなことでしか話す方法を見つけられないなんて、本当につまらない人たちだなと多々思う。けれど私の学校は、それを相手にバレないようにしていた。嫌いな子にも周りの子と変わらず作り笑いを浮かべ、本人がいないところでコソコソと小声で悪口を叩く。それが
それが、本物のクズがやることなのだ。
そんなの、知らなかった。知りたくもなかった……。
どうしようもない寒気が、私の鼓動を速めて止めなかった。
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