6-3 アイツと僕

ミハナ

6-3 アイツと僕

抱き締められたまま、どこか遠くでチャイムが鳴る。もう、ここから出ないと。

そう告げるとまだもう少しここに居ろよと返事が返ってきて益々腕に力が籠る。

どうせあと1時間で放課後になるんだ、お前と一緒にサボりたい、そんな殊勝なこと言われたら勝てないじゃないか。

顔を見せないようにしてアイツが呟く。もう、お前を不安にはさせないから。

だから、付き合い始めた事を公表しよう、と。

それを言われて僕は腕の中もがいて、ようやく解放されて見たものは。

僕よりも不安そうに瞳を揺らがせる、アイツの姿だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

6-3 アイツと僕 ミハナ @mizuhana4270

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ