いない、いない、いた!?

 その日、柚子くんは焦っていた。

 いない、いない、どこを探しても天野蒼空がいないのだ。

 実家に連絡しても、会社に問い合わせても、ようとして連絡がつかない。

 思いつく限りのメアドを試してもさっぱり返信が返ってこない。

 明日は大事な式の日なのに。

「これがマリッジブルーというやつなのか……」

 花嫁の失踪。小説ではたまにあるエピソードだが、まさか自分が当事者になってしまうとは。

 途方に暮れた。いやそれより彼女が心配だ。

 手掛かりはたった一つのメモだけ。

〈魂の故郷にちょっと行ってきます。すぐそばにいるから探さないで〉

 魂の故郷ってなんだ?

 ふと、引っ越したばかりの部屋を見渡す。

 電源の落ちてないノートパソコンに気が付いて覗き込む。 

「あー、天野蒼空こんな絵の中に!」

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空色杯5 mirailive05 @mirailive05

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