モザイク技法 或いは一つの散逸
ポケット裏の
人知れず背中を割って
今日も何処かに
運命の紅茶を飲んで
頭の中は
独り身の魔術師が椅子を蹴り
自分の影に怒鳴りつける……
罰せられなくてはならぬ!
罰せられなくてはならぬ!
一瞬の透明な間隙を突いて
乱舞する狂気に
方向の感覚が眩暈を友にズレてゆく
飛び盛る鳥に放った倦怠の矢を
真実を落とした哀れな未来が
咥えて歩いているのを見る僕に
残された時間は黒猫の額になり
螺旋の風にゆらゆら揺れて
止まる
(ライラックの花には磨滅した尊厳
接吻で別れた二人のような
昔ながらの砂時計
それは何とも奇妙なほど
寂しい色に輝いている
……
孤独な頭に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます