淡窓

重力の肉塊を一身に受け

視難みにくみにくいミニクイモノで

哀しく屠られてゆくのを

充血したこの目で見たり

奥に唸るアンモナイトの

渦巻真似る耳で聞いたり


僕たちは 一体いつまで

淡く滲んだ心の窓に

感じていればいいのでしょうか

自ら命を絶つ その

明滅する煌めきの

粗くにびやかな透明性を


過ぎ去りし魂よ

申し訳ありません

二十一世紀も

世界はずっと

戦火の海です


きたるべき虹の人よ

申し訳ありません

二十一世紀の

地球はずっと

氷のままです


鉄塔に登った

裸眼のむくろ

激しく激しく激しく

怒りに重く焦げついて

黒く饒舌な蜥蜴とかげのブルース

現在いまに織られた景色の中で

ピエロのように歌うでしょう


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