蜂が ぶぅん と飛んでいる

ユーフラテスのほとり

唸る羽根は

川面かわもを揺らすこともなく

抗いの叫びを上げるでもなく

ただ 透明な呼吸いきをしている

目映まばゆく厳かな 生の営みとして


その 燦然さんぜんと瞳を焼く景色に

私の魂は清冽な言の葉となり

うつつに群がる野犴ジャッカルなだめ静める


の蜂は相も変わらず

ひたすら ぶぅん と飛んでいる


生きるために生き

再び生の泉へと還らんと

天より賜りし命を

あたう限り全うする

滋味薫り かろく豊かな

有りのままの生き様よ


お前を忘れてしまうには

生は余りにも美しい



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