第6話

出来るだけ早く返せるようにとデリヘルを続けていく決心がついた。

商品に手を出すのはダメなこと

勝手に金の貸し借りも良くないこと

何より不倫だってダメなこと

もう状況がおかしいことに全くきづかず、ただのめりこんでいた。


嫉妬で苦しいと言われるようになり、

普通に昼職についてほしいと言われるようになり、

もうこの関係が限界かもしれないと言われた時、

関係を終わらせたくなくてとデリヘルを辞めることに決めた。

デリヘルはもうしないと約束した。


これでリスクを減らして会えるようになると思った。


自分がおかしいことには全く気がつかなかった。



辞めてから、数日会えなくて寂しかった。

今までみたいに毎日のように会えないのはわかってた。


仕事が忙しいと言われるようになって、長い時間会えなくなって寂しかった。

それでもちょいちょい会えるよって言ってくれた。


仕事で疲れてると会う回数も減って寂しかった。

ごめん、だけどわかってほしい。と言われて我慢した。


温度差があるのは明確だった。

時間を合わせるんでなくって、時間を作ってもらわないといけない。

毎日してた「おはよう」と「おやすみ」の挨拶もなくなった。

何より「好き」の言葉が消えた。


不安と恐怖でいっぱいになった。

思い切って始めた新しい昼職もまともにこなすことが難しくなった。

それでも、離れたくない。

嫌われたくない。

我慢していたら、また楽しい時間を過ごせると信じていた。


ついに連絡も途絶え始めた。

既読スルーも増えてなんでかを聞くと

前は心配であれこれ聞いたけど、今は頑張っているから。

寂しいと伝えても変わらなかった。

自分でも自分がおかしいことにやっと気づけたと思う。


「もし、私のことがもうどうでもいいのなら、デリヘルに戻るか、切り捨てて」

捨てないで、離れないでと思いながら言った。

返ってきた言葉はお別れの言葉だった。





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