第3話

とりあえず、近所のデリヘルを検索してみた。

人妻専門もあるらしい。

そんなことも知らなかった。

入店したら10万円貰えるだとか、一日5万円以上可能だとか。

容姿に自信がない方でも大丈夫だらしい。


そんな謳い文句のデリヘルに応募してみようとLINE登録しアポをとってみた。

写真を送ってくれと言われたので

容姿に自信がなくても本当にいけるのか

化粧もしないでそのまま顔写真と全身写真を送ってみた。

・・・大丈夫だらしい。面接することになった。


事務所の場所は母校の中学校のすぐ近くだった。

知り合いに会わないことだけを祈りながら向かうことになった。


店長は、知らない人だった。元々こっちの人ではないらしい。

安心してお金に困っていることを説明した。

出来ればすぐ稼ぎたいと。

講習があり、流れを実践で説明してくれるらしい。

実際にホテルに行き、教えてもらった。

はっきり言ってもっと自信がなくなった。テクニックがない。

でも大丈夫らしい。

素人が好きな人は多いらしい。


5000円貰って、お米を買って帰った。


1日目、

2日目、


なんとかなるかもしれない。希望をもった。

毎日お金を持って家に帰れることに希望をもった。


3日目。


その日も最後もう事務所に帰るために、迎えに来た車に乗り込もうとした。


ー―――中学時代の先輩だった。

頭が真っ白になった。20年会ってはいなかったけどフェイスブックとかで繋がってたから。顔も知ってた。


咄嗟にこんなに年をとったから覚えていないだろうと思った。

私は自分の顔が好きじゃないから写真を載せることもなかったし。

知らないふりでなんとかなると安易に考えて、車に乗り込んだ。


「・・・だよね?」

あ。終わった。死のうと思った。

秒でバレた。覚えていたらしい。

妙に吹っ切れて、事情を説明した。どうでもよかった。

中学以来ほとんど関わっていない人だから、どうなるかなんて未知だった。


そもそも今この状況も未知だ。


1週間前の自分ですら想像つかなかった状況で

思考も出来ない女が出来ることは諦めと開き直りだった。



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