第5話 薬草探して
………ファ〜〜。眠たい。………イムちゃんとヨナは?まさか、床にいたりして。ヨナはあるかもしれないけど、イムちゃんはそんなことないはず。
僕はイムちゃんとヨナを探した。ヨナは机の下にいた。イムちゃんは見つけにくかったが、僕のしっぽに抱きついて寝ていた。
どうしよう。このまま、そっとしておこうか。ぐっすり眠っているのに、起こすのは可愛そうだしね。僕はイムちゃんを起こさないように、そっと服を着替えた。
『……うぅ〜〜ん。おはよう。』
「………。」
『イムちゃんは?』
「《クルッ。》」
『……いいな〜。私もしっぽを抱き枕にして寝たいよ〜。』
「………。」
『いつもしてる。って?ソンナコトナイヨ。』
「………。」
『それはさておき、今日は何するの?』
「………。」
『また、ギルドに行くの?』
「《コク。》」
『じゃあ、起きるか。』
ヨナは飛び起きると、すぐに服を着替えた。僕はイムちゃんを起こさないように静かに動いたが、さすがに朝ごはんを食べるために椅子に座ったら、イムちゃんが起きてしまった。
(……モフモフ。)
「………。」
(……おはよう。)
「《コク。》」
(……このまま、抱きついていてもいい?)
「………。」
(……だめ?)
「《コク。》」
(……そうだよね。)
イムちゃんはしっぽから降りてくれた。僕はイムちゃんとヨナのところに行き、一緒に朝ごはんを食べた。そして、僕達は冒険者ギルドに向かった。冒険者ギルドでは、薬草採取の依頼を受けた。
『あったよ〜。』
「………。」
『薬草を見つけるコツ?匂いだよ。雑草と薬草じゃ匂いが全く違うんだよ。えっと、雑草は泥みたいな匂いがして、薬草はソーダみたいな匂いがするんだよ。』
「《コクコク。》」
僕は匂いで薬草を探したが見つからなかった。
「………。」
『全く見つけられないの?まぁ、人には得意不得意があるからね。ところで、イムちゃんは?』
(……呼んだ?)
『そこに居たんだね。薬草、見つけられた?』
(……たくさん、あったよ。)
イムちゃんは約30本ほどの薬草を持っていた。
『おぉ!すごい!』
(……ママはどのぐらい採ったの?)
『私はこれぐらいかな。』
ヨナはそう言うと、約50本ほどの薬草を採っていた。
(……ママ、すごい。……パパは?)
「………。」
(……苦手なんだね。)
「………。」
(……よしよし。)
なんだろう。薬草を全く採れなかったときより、ナニカを失った気がする。中学生としてのナニカを。僕は落ち込みながら、薬草を探していると魔法陣?を見つけた。
「………!」
『何かあったの?』
「!!」
『なにこれ?魔法陣?』
(……古い魔法陣だね。)
「………。」
僕達が不思議に思っていると、魔法陣が輝き出した。魔法陣の光で目を痛めたので3分ぐらいの間、目が開けなかった。次に目を開くと、僕は知らない部屋に居たのだった。
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