第4話 イムちゃん
お昼ご飯を食べた後、僕とヨナは最初に来た平原に行った。
『ここなら、スライムを出してもバレないよね。』
「《コク。》」
『じゃあ、出てきていいよ。』
スライムはカバンの中から出てきた。
『もとの大きさに戻れる?』
スライムはビッグスライムの大きさまで大きくなった。
『ありがとね。』
ヨナはスライムの上によじ登って、寝転んだ。とっても、幸せそうな顔になっている。僕はスライムの上で寝転んでみたくなったので、スライムの上によじ登り、ヨナの隣で寝転んだ。スライムの上はひんやりしていて、体が沈むほど柔らかった。
………眠たくなってきた。
(……寝てもいいよ。)
「《コク。》」
僕は寝てしまった。
………夕方………
「………。」
『おはよう。』
「………?」
『今は5時ぐらいだよ。』
「………。」
『寝過ごしてしまったのは、仕方がないよ。スライムの上は寝心地が良かったもんね。』
「《コクコク。》」
(……褒められると嬉しい。)
「………?」
『あぁ、この子?スライムだよ。』
「??」
『混乱するよね。この子は昼間、私が連れて帰ったスライムだよ。名前はまだないけどね。』
「………。」
『う〜〜ん?名前ね〜。ユウリも考えてよ。』
「…………………。……………………。………!」
『なにかいい、名前を思いついたの?』
僕は地面にイムと書いた。
『イム?スライムから、イム?』
「《コクコク。》」
『………名前はこれでいいの?』
(……これでいいよ。……名前をパパに考えてもらえて嬉しいよ。)
「、、、、」
『嬉しそうだね。』
「《フルフル!》」
『そんなに強く否定しなくていいのに〜。』
(……私、嫌い?)
「《フルフル!》」
(……私、好き?)
「《コク。》」
(……♪♪)
イムちゃんは幸せそうな顔だ。ヨナはタイミングを見計らって、少しだけイムちゃんのしっぽをモフモフしていた。いいな〜。僕もイムちゃんのしっぽをモフモフしたいのにな〜。そういえば、誰の姿に擬態しているのだろう?
「………?」
『どうしたの?イムちゃんは誰の姿に擬態しているって?私には、わからないよ。でも多分、体は私でケモミミとしっぽはユウリのだと思うよ。』
(……なんの話をしてるの?)
『イムちゃんは誰の姿に擬態しているの?って、言う話だよ。』
(……体のベースはママで、ケモミミとしっぽはパパのケモミミとしっぽを真似したよ。)
『私の予想があたってたね。』
そう言われると、本当にヨナの姿にそっくりで、それに僕の狐耳としっぽが生えたような見た目をしている。……しっぽをモフモフしたい。僕がそんなことを考えていると、イムちゃんがしっぽをこっちに向けてきた。
(……しっぽを触ってもいいよ。)
「………?」
(……本当にいいよ。)
「………。」
僕はイムちゃんのしっぽをモフモフし始めた。
……あぁ〜、幸せ〜。モフモフしていて、しかもツヤツヤでスライムのときとはまた違った触り心地で気持ちいい〜。
「………♪♪」
(……幸せそうだね。)
『しばらく、モフモフするかもね。』
(……なるべく、早く解放してほしい。)
『難しいかな?だって、あの顔だよ?しばらくは、解放されないと思うよ。』
(……幸せそうだからいいか。)
僕は3分ぐらい、イムちゃんのしっぽをモフモフした。気持ち良かったな〜。いつかまたモフモフさせてもらおう。
『やっと、終わったの?それじゃあ、夜ご飯を食べに宿に戻ろう!!』
(……お〜!)
「………!」
僕達は、宿に戻るのだった。
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