第3話 ケモミミのスライム

………ファ〜〜。眠たい。昨日は結局、深夜まで眠れなかったのだ。僕はヨナを探した。ヨナはベットから落ちて、床で寝ていた。………幸せそうな寝顔だな〜。僕はヨナを起こさないように服を着替えた。着替えているときに、僕の狐のしっぽがボサボサになっていたことに気づいたので、ヨナのヘアブラシを勝手に借りて、しっぽを丁寧にブラッシングした。


『……うん?おはよう、ユウリ。』


「………。」


『あれ、それ私のブラシ?』


「《コク。》」


『あとで、絡まったしっぽの毛を取っといてね。』


「《コクコク。》」


僕はヘアブラシに絡まったしっぽの毛を全て取り除いた。


『あっ!!もう取ったの?早いね。』


「………。」


『さて、今日は何をしようか?』


僕は冒険者カードを出して、ヨナに渡した。


『冒険者ギルドに行きたいってこと?』


「《コク。》」


『なんで?』


僕は財布の中身をヨナに見せた。


『空っぽだね。』


「………。」


『だから、冒険者ギルドに行ってお金をもらいたいの?』


「《コクコク。》」


『じゃあ、行こう!!』


「《コク。》」


僕はヨナと一緒に冒険者ギルドに向かった。


〈おはようございます。依頼を探しているのですか?〉


『はい。そうです。』


〈お二人は冒険者ランクは何ランクですか?〉


『Eランクです。』


〈なら、薬草採取とスライム退治がありますよ。〉


『ユウリどれがいい?』


僕はスライム退治を指した。


『スライム退治がいいの?』


「《コク。》」


『じゃあ、スライム退治の依頼を受けます。』


〈はい。了解しました。それでは行ってらっしゃい。〉


僕は受付の人に礼をしてから、冒険者ギルドを後にした。冒険者ギルドを出た後、ヨナと僕はスライムがいるはずの洞窟に行った。


『スライムいるかな?』


「??」


『わからいよね。どんな見た目をしているんだろうね。』


「………!」


『どうしたの?』


「!!」


僕はスライムを見つけた。正確にはスライム達を見つけた。ただ、僕はスライムを見てびっくりした。ヨナもスライムを見て驚いた。


『おぉ〜。スライムにもケモミミが生えてる。』


そう。スライムにもケモミミがついていたのだ。スライムだから、ケモミミの形になっているだけかもしれないけど。


『かわいい〜!!プニプニしてて、ひんやりしてて、触り心地最高!!ほら、ユウリも触ってみて。』


「………。」


僕はスライムを触った。たしかに、プニプニしていて、ひんやりしている。癖になりそう。


「………♪」


『どうやら、気に入ったみたいね。』


このまま、スライムを連れて帰れないだろうか。こんなに可愛いくて、触り心地がいい生き物を殺せないよ。


『このスライム達、どうしよう?倒すのは可哀想だけど退治しなきゃいけないし。』


「………。」


『一つにまとっまてくれたら、持って帰れるのにな〜。』


ヨナがそう言うと、スライム達は一つのところに集まり、ビッグスライムになった。


『おぉ〜!すご〜い!』


「………!」


『これで小さくなったら、持って帰れるね。』


ビッグスライムは小さくなって、手のひらサイズになった。ビッグスライムじゃなくて、スモールスライム?どっちなんだろう。


『これで、スライム退治完了かな?』


「《コク。》」


『じゃあ、帰ろう。』


僕とヨナは冒険者ギルドに戻り、スライム退治の依頼を完了したことを伝えた。依頼達成金として、銅貨10枚をもらった。


『フンフッフ〜〜ン♪お昼ご飯は何を食べようかな〜♪』


僕はヨナを追いかけて、お昼ご飯を食べに行くのだった。

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