第2話 ケモミミの街

僕とヨナは平原をさまよい歩いて、街を見つけた。しかし、門番に身分証明書を出せと言われたが身分証明書を持っていなかった。


〈身分証明書がないのか。なら、この水晶に触ってくれ。お前たちに犯罪履歴がない限りは水晶は透明のままだ。〉


僕は水晶に触った。水晶は透明のままだ。


〈お前は入ってよし。次。〉


『は〜い。』


ヨナも水晶を触った。ヨナも水晶は透明のままだった。


〈お前もよし。お前ら二人とも、入っていいぞ。身分証明書は早く作れよ。〉


『わかりました。』


僕とヨナは街に入った途端にびっくりした。街にはケモミミとしっぽが生えた人しかいなかったからだ。


『うわぁ〜〜!すご〜〜い!』


「………!」


『そうだね。すごいよね。』


「………。」


『ここはどこの国なんだろうね。』


「??」


『わからないよね。出店の人に聞いてみようよ。』


僕とヨナは、出店の人に話を聞いた。

出店の人いわく、この国はセルカ国と言うらしい。そして、この国にはケモミミとしっぽが生えた獣人しかいないらしい。僕は狐の、ヨナは猫の獣人らしい。


『なんだか、不思議な国だね。』


「《コク。》」


『さて、宿でも探そうかな?』


「??」


『だって、泊まる場所がないじゃん。』


「………。」


『野宿?ないない。さっさと、宿を探しましょう!』


僕はヨナに引っ張られながら、宿を探した。なんだろう、いつもより力が強い気がする。30分ぐらい宿を探していると、すぐに宿を借りれた。


『じゃあ、身分証明書を作りに行こう!!』


「《コク。》」


僕とヨナは冒険者ギルドってところに行き、身分証明書を作った。ついでに、冒険者ギルドにも登録しておいた。


『……魔法すごかったね。』


「《コクコク。》」


『私も使えるかな?』


「《フルフル。》」


『無理って、酷くない?』


「………。」


『………ひっど〜〜い。』


「………。」


『ならやってみる。アイスランス!!』


ヨナは魔法を使おうとしたが何も起こらなかった。


『………。』


「………。」


『慰めてはくれないのね。』


「《コク。》」


『何もやることがないし、宿に戻りましょう!』


「《コク。》」


僕とヨナは宿に戻り、早めの夜ご飯を食べてからお風呂を探した。結果、銭湯しかなかった。


『一時間後に宿で会いましょう。』


「………。」


『じゃ!』


僕はヨナはそれぞれの銭湯に入った。僕は30分ぐらいで銭湯からあがった。牛乳はなかった。僕が宿に戻ってきて10分もしないうちに、ヨナが宿に戻ってきた。


『あれ?もうあがったの?』


「………?」


『そっちも?って?そうだよ。だって、やることがないんだもん。』


「………。」


『そうだね。もう寝ようか。』


僕は自分の部屋に行った。すると、ヨナも部屋に入ってきた。


「??」


『あれ?言ってなかったけ?私と一緒の部屋だよ。』


「………。」


『一緒の部屋は嫌なの?』


僕は反応に困まった。嫌ではないのだが、小学校のときにお泊り会して、その時にヨナの寝相が悪すぎて、朝まで眠れなかったことがあったからだ。


『もしかして、小学校のお泊り会のことを思い出しているの?』


「《コクコク。》」


『もう寝相は悪くないから。大丈夫だよ。』


「………。」


僕は心配しつつも、ヨナの言うことを信じて一緒の部屋で寝ることを決めた。


『お休み〜〜。』


「……。」


………ヨナはすぐに寝たが、僕はヨナがしっぽを抱き枕しているので、なかなか眠れないのだった。

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