迷い込んだ異世界はケモミミが溢れる平和世界でした。

ケモナー分身体

第1話 ケモミミの世界

僕は稲荷イナリ 幽理ユウリです。今は、幼馴染の稲荷イナリ 妖苗ヨナと一緒に中学校に向かっています。


『ねぇ。あそこになにか落ちてない?』


「………。」


『そうだね。拾ってみよう。』


僕とヨナは落とし物に近づいた。落とし物はどうやら古いペンダントのようだ。


『何、このペンダント?』


「………。」


『これ、開けそうね。』


ヨナはペンダントの蓋を開けた。ペンダントの中には何もなかった。


『なんにも入ってないのか。』


「………!!」


『どうしたの?』


ペンダントに気を取られていて気づかなかった。トラックが全速力でこっちに向かってきていた。


「………!!」


『えっ?向こうになにかあるの?』


《ブッブッー!!キィィィィ!!》


『えっ!?』


「………。」


僕は死を覚悟した。ところがペンダントが突然輝きだして、あまりの眩しさに僕は目を塞いでいだ。

しばらくして目の痛みが引いてきたので、僕は目を開いた。周りを見渡すとヨナがいた。しかし、姿が変だ。頭に猫耳が生えていて、腰の辺りにはしっぽも生えている。


『………ここはどこ?あれ、ユウリどうしたのその姿?』


ヨナに言われるまで気が付かなかった。僕にも狐耳としっぽが生えていた。


「??」


『わからないよね。ここはどこだろう?』


「………。」


『私になにか付いてるの?』


「………。」


僕は猫耳としっぽを指した。


『えっ?!なにこれ?!』


「………?」


『………取れないし。』


僕はヨナの猫耳を触った。


『ヒャッン!!』


「!!」


『びっくりした。いきなり触らないでよ。』


「………?」


『あれ?触られた感覚がある?』


僕はもう一度、ヨナの猫耳を触った。


『ヒャッン!!』


「………。」


『………お願いだから、いきなり触らないで。』


「《コク。》」


『わかればよろしい。………私もユウリのしっぽ触っていい?』


「………。」


『いいってことでいいよね。』


ヨナは僕のしっぽを触りだした。


『ヒャ〜〜!!モフモフ!!』


「!!」


『くすぐったいの?』


「《コクコク。》」


『そうなのか〜。』


ヨナがとても悪いことを考えている気がした。


『………モフモフ攻撃!!』


ヨナは更に激しくしっぽをモフモフし始めた。


「!!」


『くすぐったい?ねぇ、くすぐったい?』


流石にイライラしたので、僕はヨナの猫耳を触った。


『ヒャッン!!』


「………。」


『ちょっと。何、その手。怖いんだけど。』


僕はヨナの猫耳を何回も何回も触った。


『ヒャァァァ!!』


「………!」


『ごめんって!!ヒャッ!!許してよ!!しっぽをモフモフしたことは謝るから!!ヒャッン!!』


僕はヨナの猫耳を触るのをやめた。


『ハァハァ、、』


「………。」


『………しっぽを触ってすいませんでした!!』


「………。」


『………許してもらえる?』


「《コク。》」


『やった〜!!』


ヨナがしっぽを触ったことを謝ってくれたので、僕はヨナに猫耳を触ったことを謝った。


『許す!!その代わり、いつかまたしっぽをモフモフさせてね。』


「………。」


『よしっ!仲直りしたところで、街を目指そう!』


僕とヨナは街を目指して歩き出すのだった。

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