第3話 わたくし...悪役令嬢でしたの!?

 前世の記憶に浸りきったところで気づく、体がベトベトだ。お風呂に入りたい。

 

 ベルを鳴らすとメイドさんが来てくれる。流石は公爵家


「いかがなさいましたか、アンナ様」

このメイドさんはシャンティ・ファ・ラヴァエーニ。わたくしの専属メイドでわたくしの身の回りの世話をしてくれる。唯一の私の話し相手。普段はシャンって愛称で呼んでる。


「シャン、おふ、、、湯汲みをしたいのだけど...今から準備してもらってもいい?」

危ない危ない、公爵家らしい言葉遣いをしないとお父さん...お父様に怒られてしまう


「かしこまりました。準備をするよう担当のメイドに伝えてきます」


 廊下にいるメイドに声をかけ、すぐに戻ってきたあと、私を案内する。


お風呂で鏡に映る自分が目に入った。


「今まで意識してみてなかったけど、なかなかの美人だ。艷やかな金髪に薄いすみれ色の目だ...。これ、前世ではまってた乙女ゲーの悪役令嬢の幼少期じゃん」


「じゃん...」

「じゃん...」

「じゃん...」 

 こだました。


その後、メイドに

「お体がまだ本調子ではないのですから、大人しくなさってください」

と言われあっと言う間に体を洗われてしまった。


「今日の夕飯は部屋でお召し上がりになってください。お嬢様はいつ暴れだすのかわかりませんので、しばらく体調が戻るまではこうする予定です」

 

 普段は朝食と夕食は基本的に家族全員で食べることにしてる。特に家族でワイワイ食事する訳ではないんだけどね。


「分かったわ」

てか私ってそんな暴れてたっけ...

いや、めっちゃ暴れてるな。今でこそそう思うけどあのときはそれが当たり前だと思ってたんだよね。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る